謎の水中オブジェ


今日はベンジルアルコールで遊ぶのだ。



ベンジルアルコールは、名称の通りベンゼン環に CH2OH がくっついただけのものである。毒劇物には指定されていないがヒトには多少の有害性が認められ、粘膜への刺激性や麻酔性があるそうだ。それ以上の詳しい資料が無いので以下は憶測で書くが、構造から察するに何となく発癌性があったり、遺伝子がエラーを起こしたりしそうな気もする。従って、取り扱いに際しては素手で触ったり、蒸気を吸飲したり、ましてや飲んでみたりしないように。アルコールとは名ばかりで、ほろ酔い気分にはなれないだろう。

この液体の比重は 1.04535 と水よりも心持ち重く、水には 35g/l (20度C) と、少し解けるだけでほぼ分離すると考えて良い。従って、水中にコイツをぶちまけると、静かに沈みながら、見かけはスライム状になって水と分離する。つまり、コイツを使うとよく土産物屋に置いてあるような、水中に青色のデロデロとした液体のオブジェを作ることが可能、というわけだ。純粋なベンジルアルコールは無色透明だが、普通の油性マジック(特に最近多いアルコールベースのもの)で容易に着色することが可能なので、その点でも困ることはない。

早速、やってみるのだ。



まず、マジックは違うメーカの物を2種類、用意してみた。何れもアルコールを溶媒としたものである。
ここでは、ゼブラの「マッキー」(青色)を使ってみる事にした。



着色は、マジックの先っぽを液に浸けて少し揺らすだけで良い。すると、右図のように鮮やかな色に染まる。



それを、水道水を入れたフラスコに流し込むのだ。するとほりゃ、こんなのが出来る。



問題は、上の写真のように振ったりして遊んでいるうちに水が白っぽくなってくることだ(少し暖めると透明になる)。ベンジルアルコールは、先にも述べたように水に不溶ではなく、少しだけ溶ける。それが原因で白くなるのかも知れないし、また水道水を使っているので水中の不純物が悪さをしている可能性も考えられる。こういうこともあり、市販の「オブジェ」では、何なのかは知らないが、ベンジルアルコール以外の物質を使っているようだ(なんかの油と思われる)。

まあ細かいことは気にしないことにして、ベンジルアルコール写真館(謎)
(写真をクリックすると大きいのが表示されます)





で、こんなモンで何をするつもりかって?

実は、これ(英語独語混在)を作るのが最終目標なのだ :-)


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