化学的酸素要求量


化学的酸素要求量(COD=Chemical Oxygen Demand)を求めるのだ。

知らない人のために、CODとは水の汚染度を調べる一つの汚濁指標である。試料水中の有機物などを強力な酸化剤で酸化し、消費された酸素量を調べる。この方法はJIS規格で決まっていて、日本では酸化剤に過マンガン酸カリウムを用い、100度Cで30分加熱する。ちなみに、USでは酸化剤に重クロム酸を使ってたと思う。

まずは試料となる水を採取するのだ。今回の実験では、大阪は大川に架かる天満橋の下辺りのを流れる水を採取した。臭くてばっちい。あんまり触りたくないのだ。




これがペットボトル一杯に採取した水。冷蔵庫に入れてたので冷え冷え。




さてさて、こんなものを作る。先程のばっちい水に過マンガン酸カリ、硫酸、硫酸銀をぶち込む。水中の有機物を酸化させる為の酸化剤+おまじないを入れたと考えれば良い。すると、こういうお上品な色になる。しかし、前からトップページの突撃の写真に使っていることから、かなり古いネタだと言うことが伺える...




そして摂氏100度で30分加熱の様子。アツカン方式?で風呂に入れる。こうして、無理にでも酸化させる。だんだんと色が黒っぽくなるのだ。




左のビーカーが加熱した後のサンプル。右のビーカーは左のビーカーと同じ物に過剰のシュウ酸ナトリウムを入れたもの。シュウ酸ナトリウムは還元剤。還元とは酸化の逆のことで、簡単に言えばサンプルを酸化させる前の状態に戻したような感じ。あの気持ちの悪い紫色の物体が、こう極端に色が変わるから化学は楽しいのだ。




そして、再び過マンガン酸カリで酸化させる。今度はぶち込むのではなくて、一滴ずつじわじわと入れていくのだ。これを逆適定といい、再び酸化させるのに必要だった過マンガン酸カリの量でCODを求めることができる。

何故か、それは下図を参照のこと(これでは手抜きかなぁ(^^;)





が、突撃実験室は水質検査屋ではない。
お茶のCODを求めよう!

何故お茶なのか。合理的な理由なんて一切ない。何故CODなのか。知らない。




という訳で犠牲となったお茶はこれ。カゴメの六条麦茶だ。先程と同じ手順で、こいつのCODを求めるのだ。




・・・と思ったのだが。本人も分からなくなるぐらいの過マンガン酸カリを入れたのだが、いつまでたっても紫色にならない。前の写真の量と比べれば、倍ぐらいになっている感じがする。通常はそんなにたくさん入れなくても紫色になるから、かなり異常だ。

う〜ん、ちょっと待て。お茶って還元作用があったような

そういえば、ペットボトル入りのお茶の成分ラベルを見ると、必ずと言って良いほどビタミンCが入れられている。これは皆さんの栄養を考えてではなく、酸化防止剤として入れられている、一種の食品添加物だ。ビタミンCは強力な還元剤。酸化しやすい食品に混ぜておけば、ビタミンCが身代わりになって酸化してくれるので、食品の酸化が防止されるというわけ。聞こえも良いので、割と多用されているはず。お茶も多分そんな食品の一つなんだろう。



その後・・・

「やるんだったら、ちゃんと数字を出せ!」と、伝言板でお叱りを受けた。お茶のCODも求めたかったのだが、手元にあった過マンガン酸カリを全部使っても紫色にならず、それ以上の実験はできなかったのだ。

そこで、某氏のお誘いで、某大学の某実験室をお邪魔し、続きの実験をさせて頂いた。




使用したのは、前回と同じくカゴメの六条麦茶。ほぼ同じ手順で出てきたCODは238ppm(だったとハズ(^^;)。実は計算も怪しかったりするんだけどぉ...

この数値はかなり高いと思う。良い試料が見当たらないのだが、記憶が正しければドブのような川で40〜50ppmぐらいだ。



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