[H8-ML(2230)] Re:MyICE EZ mini
From: "Masanobu Suzuki" <signas@xxxxxxxxxxxxxxx>
Date: 2002年09月26日(木)09時47分52秒
わさびぃさん、こんにちは。

CPU基板は自作(ハンドメイド)されているのでしょうか?
電源リセット回路やクリスタルの異常発振など色々と問題えお抱
えておられるようですが、デバッグされる場合のアドバイスを少し。
(他の方と重複する部分もありますがご容赦ください)

●CPUの基本回路

私はH8については秋月のH8/3068F、H8/3664しか使った経験が
ないのですが、リセット端子やNMI端子の処理、発振回路などの
CPUの基本的なハード部分に関しては、そこに添付された回路図
を参考にされるか、トラ技などでのH8特集記事を参考にすれば、
先ず間違いなく動作すると思います。ネットで検索しても良いかも。

●電源リセット

一般にはCRとダイオードによるパワーオン・リセット回路でも十分
かと思いますが、部品のばらつきや経年的な定数の変化、及び
外付けメモリに対する書き込み保護等を考慮すると、やはり専用の
リセットIC(電圧監視IC)をお勧めします。
これは小信号トランジスタ程度の大きさで場所も取らずCRとDiの
他にはバッファICなどの部品も必要ありません。
特に重要なのがリセット電圧(スレッショルド電圧)がICによって明
確に保証されている点です。
今は電源投入時だけを考慮されているようですが、実際の回路で
は何らかの原因で電圧低下(瞬低)が発生することもありえますの
で、CRとダイオードによるパワーオンリセットでは不確実です。

●発振回路と周波数

H8/3068-ONEは電源電圧レベルによって最大動作周波数が決め
られているかと思います。電圧については大丈夫でしょうか?
他の方もご指摘になっておられますが、クリスタルによる自励発振
を行う場合は最短距離で端子と結ぶ必要があります。
この端子の電圧レベルはアナログですから、特に注意が必要です。
また、クリスタルにはオーバートーン仕様のものとそうでないものも
ありますので、CPU側の仕様と一致しているかどうか良く確認される
ことをお勧めします。
CPUを交換できればCPU側の問題かクリスタル側の問題かがはっ
きりするのですが・・・
どうしても周波数の問題が解決しないなら、専用のクリスタルオシレ
ータを使用されることをお勧めします。基本周波数が確定しない、ま
たは不安定であるとCPUのリセットシーケンスが満足されません。

●デバッグの基本的な考え方

私の経験的なもので恐縮ですが、基本的な考え方は「回路をできる
だけシンプルな状態にすること」です。
動作チェックに不必要なデバイスや回路はできるだけ外します。
今回の場合では外付けのメモリを外し、もし回路的にモード7の状態
にできるならその状態でICEによって基本的な動作チェック、及びサ
ンプルプログラムを走らせて確認、更にICEを外してCPU単独での動
作チェックをするのが良いと思われます。
モード7で使用できるモニタプログラムが日立や秋月等で入手できます
からこれを使ってみるのも良いと思います。大抵の場合はこれで先ず
間に合うはずです。(良くできていますよ)

お使いのICEはH8のオンチップデバッガですから問題は少ないと思い
ますが、ソケットタイプでプローブ側のエミュレーションメモリを使うタイ
プの高級(?)ICEでは、「ICEでは動作するが単独では動作しない」「ICE
を外すと暴走する」と言うことが多々あります。

もう一つは、ハードの根本的なデバッグは必ずアセンブラで行うことを
お勧めします。未だ基本動作が不確実な状態でCなどで動作チェック
をしても問題が複雑化するだけであまり良い方法とは言えません。

問題が起きて何かを変更・修正する場合の鉄則は「一度に2つ以上
の変更をしない」「何も信じないこと(思い込まない)」ことです。
面倒で遠回りにはなりますが、複数の変更・修正を同時に実施してそ
の問題が解決しない場合は、更に迷路に入り込むことになります。

鈴木


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