電子レンジで餅を作る


これは突撃実験室が考え出した手法ではなく、誰から聞いたのかも不確かなのだが、電子レンジで餅を作る方法があるので紹介する。臼や餅搗き器などの大袈裟なものは必要なく、もち米に加え、電子レンジと電気ミキサーさえあれば家庭でも簡単に搗きたて感覚の餅を味わえるのだ。また、柔らかい餅も作ることが可能なので、家で大福を作りたいときにも使える手段である。

もっとも、現実的にはそんなことはせずとも、餅が食いたくなったらスーパーで真空パックのもの買ってくれば済む話である。実を言うとこの電子レンジ餅は、餅を容易に入手できない一部の海外在留邦人の間で密かに流通している秘伝の手段であり、この度はその全容を示した内部文書の入手に成功したので再現してみたというわけだ(嘘多数) それも、海外転勤を食らう日本人には、何故か餅好きが多いという説がある。

さっそく本題に移るが、まずはもち米を用意する。



取りあえず1合の計量カップでもち米を計ってみた。ここで適量以上のもち米を準備すると後の手順で困ることになるので、あまり量を多くしては行けない。突撃実験室では失敗に備えてこの倍、つまり2合のもち米を一度に処理しようとしたのだが、後述するように面倒くさいことになってしまった。1合もあれば一人では食い切れないほどの餅ができるので、それを考慮に入れて計量すると良い。



次に計量したもち米を軽く洗い、一晩ほど過剰の水に浸けておく。急ぐなら数時間程度でも構わないと思うが、米粒が硬いままではまず無理なので、注意が必要である。



そして、浸けてあったもち米の水を切り、ミキサーに放り込んで粉々にする。この時、水も少し入れる必要がある。どのぐらいが適量かはもち米の質などにもよると思うが、1合につき80cc程度と考えればよいようだ。水が少な過ぎると細かい粒が多く残ってしまうし、極端に水が多いと餅にはならない。最初は少な目に水を入れ、結果的にドロドロっとした粘度のある液になれば良い。どうせ水分は電子レンジに入れたときに水は蒸発するので、シビアになる必要はなさそうだ。

さて、突撃では写真のように2合の米を全ていれてしまったのだが、これは大失敗であった。安物のミキサーを使っているのでパワーが足りず、回ったかと思ったら直ぐにモータの保護回路が働いてしまうのだ。ふやけたもち米でも粉々にするにはそれなりのパワーが必要であり、砕いた後に生成するクリーム状の物体にもかなりの粘度がある。そのため、量が多い場合は少量に分割してミキサーにかけるなどの工夫が必要だ。業務用の強力なミキサーがあれば別だが、これは悪い例として見ていただきたい。



ミキサーで大きな粒が残っていない程度までドロドロになり、感触的に石膏を水にといたようなものであれば合格である(細かい粒は取りきれないので無視)。成果物を茶碗などの耐熱性が良く、電子レンジに入れても問題の無い容器に流し込めば、これがそのまま餅に変身する。注意しなければならないのは、餅は熱が加わると膨らむという点だ。あまり大量に入れると膨らんだ餅が茶碗からはみ出て、電子レンジのお掃除をする羽目になる。また、容器にへばり付いた餅は洗っても取れにくい。手間を省くために、茶碗にラップを敷いて加熱を行うことにする。



更に、上からラップをかけて電子レンジに入れる。調理時間は、強の設定(600〜700ワット)なら5分程度で良いようだが、餅の量や、電子レンジの性能などによっても変わってくるだろう。次第に膨れ、蒸気でてきてから更に数分温めてから取り出すと最適の状態に仕上がるようだ。



そうすると、このような餅が完成する。見栄えはよろしくないが、確かに餅の味だ。ご覧のようにラップにへばり付いているが、熱いうちなら取れないことも無い。もっと量を多く作り、粉を塗しながら丸めてゆけばマトモな餅になるに違いない。写真の餅は醤油をかけて食ったのだが、それだけでも十分うまいのだ。



ちなみに、これは200ml分の餅クリーム。たくさん作って余ったので、ビーカーに入れて保存しておくことにした。これだけあれば、一般的な大きさの餅が2〜3個はできるだろう。焼いて海苔や七味唐辛子と合わせても、きな粉と砂糖を塗して安倍川餅にしてもうまそうだ。



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