PHSでBBS開局?


皆さんご周知の通り、このホームページは私が運営してる草の根BBSの宣伝のために作成しているものである。尤も、それだけでは面白くないので、最近は色々と妖しい企画を考えているのだが。

まあ、そこで全国のBBS運営者の怒りを私が代筆しよう。

電話加入権は高すぎる。

NTTで電話加入権を買うと、7万2000円もする。手数料800円もおまけで付いてくる。そこへ悪税がかかる。間違っても安いとは言えない金額だ。公共性が強いと言う意識がないんだろう。多分。

が。量販店へ行くとPHSが1円だったり、何かのキャンペーンで配ってたり、とにかく、PHSは安いのだ。マンションで回線を引けない場合もある。じゃ、ちょっとBBSをやってみるぐらいならPHSを使えば安くあがるのではないか? そんな大胆な考えから、この実験は始まった。

非常に実用的である。(本当か?)



まず、PHSにモデムを繋げる場合の説明をしよう。一般的にPHSでモデム通信を行う場合はイヤホン端子を使う。大体 9600bps が目安だそうだが、私は 14400bps まで成功している。それ以上はやった事がないので、知らない。突撃実験室ではアステル関西のA−231を不幸な実験台となった。


ケーブルはイヤホン−モジュラタイプを使用。Special thanks goes to Mr. Niggle!
右は電界強度。データ通信には50dbμは欲しいもの。


しかし、これでは発信のみ。着信ができないのだ。モデムを着信させる場合、回線に交流75ボルト程度の着信信号を送ってやらないと駄目なのだ。こんな信号は当然、イヤホン端子からは出ていない。それに、いくらモデムに着信コマンド (ATA) を送っても、電話機の通話ボタンを押さないと通話は始まらないし、断線するときも終了ボタンを押す必要がある。

そこで、PHS電話機を改造すればいい...のだが、蓋を開けるだけで違法になるらしい。電気通信事業法か電波法かその辺かな。そのため、突撃実験室では無改造で行う事にした。道具箱には星型の特殊ドライバがあるようだが、気にしない。蓋を開けたような形跡もあるようだが、これも気にしない。

まずは着信から断線までの手順考える。

  • 1.何らかの方法で着信を検出する。
  • 2.モデムに着信コマンドを送ると同時に電話機の通話ボタンを押す。
  • 3.通信する。
  • 4.モデムに断線コマンドを送ると同時に電話機の終了ボタンを押す。

まずは手順1を考える。電話がかかってくると、着信ランプが点滅するが、これを検出することにした。可視光フォトトランジスタと言う光センサーで光学的にカップリングするのだ。



↑これがフォトトランジスタだ



うるさいので着信音を切り、カップリング部分は黒いテープで遮光する。


次に手順2と4をどうにかする。ボタンを物理的に押す事が必要であるが、色々と考えた結果、ここではソレノイドと言う部品を使用する事にした。ソレノイドは電磁石で鉄心が動くのだ。鉄心を押し出すタイプが欲しかったのだが、入手できなかったので、鉄心が引込むタイプで代用する。かなり探したんだが、どうしても見つからなかった。




電話機にソレノイドを取り付けるために、取り付け台を作る。突撃実験室ではアルミチャンネルを加工して、ソレノイドを固定する事にした。ソレノイドの動作が逆なので、真鍮棒を曲げて動作を反転させる。設計図なしで作ったので、少々雑になってしまったが、ちゃんと動けばそれで良いのだ。鉄心が下へ動くと、真鍮棒も動く。こいつを電話機のボタンの上に跨がせておけば、真鍮棒が通話・終了ボタンを押してくれると言う訳だ。




つまり、こういう感じ。




電話機との物理的なインターフェースが整ったところで、今度はパソコンや着信用モデムとの接続の方法を考えなければならない。通常の加入回線の場合、パソコンとモデムはRS−232Cで接続し、電話回線はそのままモデムに繋ぐ。しかし、回線はPHSであるから、別の方法を考えなければならない。着信信号は加入回線とは異なるし、ソレノイドの制御も行わなければならないのだ。

そこで、セントロニクスポートでその辺を扱う事にした。BBSのホストマシンでは通常使われていないはずだから、ちょうど都合が良い。そこで、フォトトランジスタの信号は1石TTLレベルに直して、これはBUSYへ送る。ソレノイドの制御はデータポートの下2ビットを使い、2石でスイッチングするのだ。ソレノイドは一瞬だが、流れる電流が大きいので、大き目のトランジスタを選んだ。




ここで大体の作業が完了した。実際にセットアップしてみるとこうなる。




実際にPHSに電話をかけてみる。動作確認がしにくいので、モニタ用のLEDを基板上に設けた。着信があればこのLEDが着信ランプと連動して点滅する。同時に、セントロニクスのBUSYピンがHIGHになるのだ。

LED拡大図。点滅している(笑)


これで、セントロニクスポートから着信を検知する事ができる。また、通話と終了ボタンも電気的に「押す」事ができるようになった。後はソフト次第である。


次回はソフト編・つづく!


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