多事毒論(2003年9月分)


冷え性
2003年9月23日(火曜日) はれ/くもり

月曜日の朝から急に寒くなったせいか、体調を少し崩してしまって、昨日から風邪気味。まだ本格的な冬を迎えたいわけではないけれど、このぐらいの気温でも、わたしの身体には十分堪える。昨日は、帰宅したら家の中があまりに寒かったので、思わずヒータを出してしまった。とことこと歩いて通勤しているので、身体はそこそこ暖まっているのだけれど、すでに始まっている冷え性のおかげで、玄関で靴を脱いだ刹那、足だけが氷のように冷え付いてしまう。だから、足下解凍用のヒータがこの時期から欠かせないのだ。もう毎年のことだけれど、これが来年の春になるまで途切れなく続くのだと思うと、とてもとてもとても、とんでもなく鬱だ・・・。



まつさか
2003年9月20日(土曜日) 雨

ふと、松阪駅の近くに百貨店の松坂屋があったような気がして、Google先生に確かめてみたのだが、実際にあるのは三交百貨店という別の百貨店で、過去に松坂屋があったという事実も無いようだ。阜偏と土偏、読みが濁る濁らないといった細かい違いはともかくとして(地名の松阪は「まつさか」で濁らない)、松阪に松坂屋があるというのも何かのシャレみたいで面白いと思ったのだが、わたしの思い込みだったみたいだ。ぜんぜん関係ないが、松阪のことを考えていたら、また快速みえに乗りたくなってきたなあ。筋肉に脂肪が混じった成人病のような牛の死肉より、350馬力×2発のディーゼルに全開くれながら爆走するキハ75の方がよほど萌えるんだが(霜降りは苦手で・・)。

これまた誠にどうでもいい話だが、松坂屋といえば、昔はアダルトサイトだった。いまでは、http://www.matsuzakaya.co.jp/ へ行くと、松坂屋百貨店のサイトが表示されるけれど、何年も前には、百貨店とは何ら関係ないと思われるアダルトサイトが、matsuzakaya.co.jp ドメインを使っていたことがあったのだ。百貨店の方の松坂屋は、代わりに matsuzakaya-dept.co.jp というドメインを使っていたのだが、いつの間にか matsuzakaya.co.jp に移ったようだ。いまでこそ、ドメイン名の紛争解決に関するルールが明確化されたが、わりと最近まで、ドメイン名は識別子に過ぎないのだから商標とは無関係であり、登録は早い者勝ちがすべてという、極めて技術屋的な発想がそのまま原則になっていた。それだけに、こういうのはほかにも色々とあったけれど、減ってきたのかな。



ビデオ
2003年9月19日(金曜日) 晴れ

最近は、自社の Websiteで何らかの動画を公開している企業が増えてきた。妙に気合いが入っていると感じられるのが、NTT東日本の「Theater 映像情報館」だ。実態は、つまるところ会社のPRビデオだから内容はかなり手前味噌なものだけれど、過去に遭遇した困難や教訓を語ったり、前例のなさを強調したりする手法が取り入れられているところは、NHKでやっている某番組の影響なんだろうかと思ってみたり。まあ、どうせくそまじめに通信技術の凄さやらを取り上げたところで興味を持つ人は限られるわけだから、一般ウケを狙うなら、お涙頂戴路線で行くのがもっとも効果的なイメージアップになるのかも知れない。

テレビCMを公開しているところも多いが、CMを見るなら関西電気保安協会だ。CMに切り替わったら無意識的にリモコンに手が伸びる人も、ここのCMを見たら考えが変わるんじゃないかと思う。関西在住の人には説明は不要だろうけれど、ここは、おおよそ協会というお堅い感じの組織が流すとは思えないような、強烈なCMを流している。出演者は実際の職員だそうで、素人だから当然のようにとちりまくっているのだが、何があろうが一発OKでそのまま使っているんじゃないかという感じ。それが、また笑いを誘う。協会としてもそれが自慢だったりするのか、トップメニューからいきなりテレビCMのページに飛べるようになっていて、オンエアスケジュールまで公開しているし・・。



男の料理
2003年9月16日(水曜日) 晴れ

醤油ベースの煮付け料理に「八角」を放り込んでみたら意外と美味くなることが分かり、ただいま八角がマイブームだ。量を間違わなければ、煮魚のような和風料理にも問題なく使える。プンプンと香るほど入れると中華料理っぽくなるが、ほんの一欠片ぐらいなら、和風と呼べる範囲内で何となく香りが良いな、という感じになる。もともとは鶏肉を中華風に煮付けるつもりで入れてみたんだけれど、あっさりと味付けしすぎてしまって和風っぽいものになってしまい、それで中華でなくても隠し味に八角を入れてみるのも面白いなと分かったわけ。

ところで、ある女性によると、男の料理には「エライだろう」というイデオロギが見え隠れしていると感じられるらしい。男が、自分の Websiteなんかで盛りつけ例の写真まで載せたりして、作った料理に関する蘊蓄を並べているような場合は、明らかにレシピの紹介だけを目的としてやっているのではない、というのである。そう言われてみると、わたしにも、そういうところがあるかも知れない。事実であるかどうかはともかくとして、一般に男というのはまともに料理も作れず、独り暮らしともなれば退廃的な食生活を送っている、というようなイメージがある。それゆえ、多少料理が出来ると思っている男は、暗黙に、そういうステレオタイプな「ダメ男」と自分とを対比させ、「俺に限ってはそういう男とは異なる」という対抗心や優越感を抱いている気もするのだ。

わたしが料理を作るようになった直接のきっかけは、独り暮らしを始めたからだが、安価に腹を満たすだけなら、外食やインスタントに頼るという選択肢もあり得たのだから、合理的、合目的な側面からだけでは、わざわざ自分で料理を作る気になった理由を説明することはできない。そこで当時を思い返してみると、やはり、一種の対抗心から始まったことだと思うのだ。そもそも不摂生な生活はしないようにという自戒もあったが、その前提には、食事ぐらいは典型的な男の独り暮らしよりも真っ当で、なおかつ多少はゴージャスにやろうという対抗心もあったと思う。もっとも、わたしの場合は急速に、料理を作る目的が食事のためというよりも、むしろ極めるべき趣味という扱いになってしまった。いまでも続いているのはそのお陰かも知れない。

が、料理人のノリで作っていると、今度は女に対する対抗心が芽生えてしまい、これはこれで困ったものだが。



いろいろ
2003年9月15日(月曜日) 晴れ

うぜぇ仕事が一段落したと思ったら、しなかった。うぜぇ・・・。

某證券会社に転居届を出すのを忘れていたので、必要な書類を貰うため支店に立ち寄った。口座番号も印鑑も持っていないから、持ち帰って記入するつもりだと窓口で告げたところ、氏名から口座番号を調べ、予めそれを記入した書類を渡してくれたのは親切でいいと思った。が、「ここにこの印鑑を押してください」と言って、本人確認もせず届け印の写しまで渡してくれるのは親切すぎるんじゃないのかな(見せるだけならともかく)。ほかの契約者に聞いてみると、その証券会社は割と気軽に届け印の写しをくれるらしい。パスワードを教えているのと変わらない感じがするんだが、危なくないんだろうか。まあ、ただでさえ印鑑なんて認証方式としては貧弱すぎるからなあ、どうにかならんものだろうかと思う。

若松通商2Fで、小型液晶テレビのバックライト用と思しき冷陰極管セットを発見。それらしいケースに冷陰極管とインバータが組まれて 580円ならそこそこお買い得じゃないかと思い、またもや余計なものを買ってしまった。車のルームランプを冷陰極管に取り替えてみたら明るくて感じが良くなるかも知れないと思ったものの、ちょっと大きすぎて、車の方をかなり改造しないと天井には入りそうもない感じだ。それも面倒臭いよなとか言ってるうちに、また新しいものを買ったりするから、家の中が手つかずのジャンク品で溢れてくるわけだけれど・・・何とかしないと。



賞味期限切れ
2003年9月13日(土曜日) 晴れ

部屋を片付けていたら、賞味期限が1999年6月の米国産コカコーラという大変貴重なものが出てきた。米国産というのは、これは日本で製造されたのではなく、アメリカからの輸入品なのだ。確か、どこかの輸入食材店で見付けたときに、もしかしたら味が少し違うのかなと思って飲み比べるつもりで購入し、そのまま忘れていたみたいだ(日本国内でも製造場所によって微妙に味が違うし)。今日、実際に国産のものと飲み比べてみたら、確かに味が違っていた。経年変化でそうなっただけだと思うが、米国産の方は、なんだか砂糖水臭く、風味が足りない感じで、はっきり言って不味かった。一応コーラの味を保っていたのは立派かな、製造時から5年は経っていると思うけれど。



MTA
2003年9月12日(金曜日) 晴れ

気付いたら、きれいに隔日更新になってやんの・・。

そろそろコイツも更新の時期だなーと思って、新サーバの注文書を送った途端に、某ISPのメールサーバがぶっ壊れてくれる。ややいい加減ながらも冗長化されていたから大きなトラブルには至らなかったものの、サーバがいったいどうして、捨てようかと話す言葉を察して家出するネコのごとき壊れ方をするのかが不思議だ。それで、新メールサーバはどんな仕組みにしてやろうかと思案しているところ。いままでずっと sendmail + qpopper でやってきたから慣れの点からいくとこの組み合わせがベストなのだが、どちらもやや時代遅れな感じがする。一度は qmail を検討したことがあるのだが、どこか排他的で極左的とさえ思えるノリが好きになれず、これは使わずじまい。

そんなわけで、今回はもっとも無難な感じがした postfix を実験機に入れてみることにした。まだ sendmail のシェアには叶わないだろうが、見ていると最近ではISPのメールサーバでの採用例も大変多いみたいだ。で、取り敢えず適当に設定してやってみると、構造が比較的理解しやすく、ドキュメントや設定ファイルのコメントが親切丁寧だったお陰で、簡単に動いてくれた。いままでは、sendmail だの qmail だのといじってきた口なので、MTAといえば、ほかのものと比べてかなり複雑奇怪な構造と設定を理解しなければならないイメージがあったから、拍子抜けするほど。でもし、postfix はぶっきらぼうだ。helo って言っても、気の利いた応答はしてくれない(どうでもいいが)。

問題は pop3 をどうするかだなあ・・。いいのないかしら。



痩せすぎ
2003年9月11日(木曜日) 晴れ

あづい・・・ようやく梅雨が明けて、これから夏本番ですかって感じ。

ある方から、体脂肪計付きの体重計をいただいた(ありがとう)。いままでこういうものが家になかったのは、わたしはもう何年も 50kg ぴったりのままなので、わざわざ計る必要性があまりなかったからだ。何キロ肥えたとか、何キロ痩せたといった話はよく聞くけれど、もともと 50kg しかない人間の質量がキログラムオーダで変わっていたなら何らかの病気になっていても不思議ではないから、それは体重計で計って管理しようとかいう以前の問題なのである。で、さっそく新しい計りに乗ってみると、体重はやはり従来通りの値で 49.9kg。かなり久しぶりに計った体脂肪率は 12% 程度と、これも数年前に計ったときから変わっていないと思う。

まったく、これだから必要以上に詳しい数字が出てくるデジタル式の計りは嫌いだ。アナログ式の体重計なら、まあ 50kg だねってことで話は丸く済んだはずなだのに、50kg は切らないようにと掲げていた目標が、あと僅かのところで達成できていないことが判明したのだから、これは困ったことだ。少しぐらいは太る努力はしているのに、どうにも太らないのはどういうわけなんだろう。計りのコメントによると、体脂肪率 12% は、やや痩せすぎの部類に入るらしいが、本当に痩せすぎなのかどうかは、個人差があるってことにしておこうか。どっちにしろ、何年も安定しているものを変えるのは、リスクのあることだろうし。



救急の日
2003年9月9日(火曜日) 晴れ

いまでもあるかどうかは知らないが、奥多摩周遊道路の途中にある駐車場で、「ここで事故を起こしたら病院に着くまでに2時間かかる」みたいなことが書かれた看板を見かけたことがある。走り屋さんが多く出没する場所だから、「事故ると大変だぞ」と警告する目的で掲示されていることは明らかだが、実際にかなりの山奥なので、麓から救急車がやってきて病院に収容されるまでにそのぐらいの時間がかかるのは事実らしい。しかし、少し真面目に考えると、そんな辺境での事故を何時間もかかる救急車で対応しようという発想自体がそもそも異常だ、と突っ込むべきところだろう。走り屋が起こす余計な事故なんか知らん、という議論はともかくとして、実際に急を要する事故で、本当に2時間もかけて救急車がやってくるのでは救急の怠慢だとしかいえない。

実際には、重篤と思われるケースではヘリコプタがやってくる場合もあるらしいが、ヘリによる搬送はさほど多くなく、日本では依然として救急搬送は救急車に頼るケースが大半だという。だからか、怪我人や急病人は救急車で運ばれるのが当たり前という感じになってしまっているけれど、果たして救急搬送に自動車を使うのは最良と言えるのか。悪しき習慣であり、ヘリコプタ搬送がもっと積極的に使われるべきではないか、という議論がある。奥多摩などのように、陸路でえっちらおっちらと行ったのでは時間がかかりすぎる僻地であれば当然、空路の方が速いわけだし、市街地を走る救急車は、混雑や踏切といった要因で到着が遅れる。僻地だけでなく、都市部でもヘリコプタを使えば搬送時間が短縮され、救命率も上がるはずだ、というわけだ。

それなのにヘリコプタによる救急搬送が皆無なのは、何かと理由を付けては「都市部では着陸が困難」とされているからで、これについては「航空の現代」というサイトで詳しく解説されている(「ヘリコプターは銀座通りにも着陸できる」など)。一見過密を極める都市空間では、ヘリなんてどこに下りるのって感じがするけれど、上空から見れば着陸できる場所は意外と多くありそうだ。たとえば、東京の真ん中でも幹線道路はそこそこ広いのだから、その気になれば着陸できるだろう。結局は、そうした場所に着陸することを許すかどうかだろうが、制度的には可能でも、今度は、通りから人や車を完全に排除してまでヘリを着陸させることに、コンセンサスが得られるのかどうかの方が問題になってきそうな気がする。救命のためならその程度のことはやむを得ない、と考える人はどれほどいることやら。

同サイトでは、ロンドンにおけるヘリコプタ搬送の事例が紹介されている。やはり建物が密集するロンドンでもできるのなら、日本の都市でも同じことができるのではないか、と思いたくなるが、どうだろうか。いわゆる広場の有無とか公園の数の差とかで空間の「ゆったり感」ではロンドンの方が上だと思うが、それよりも大きいのは、「突起物」の差ではないかと思う。日本の都市には、電柱や看板といった薄汚い突起物が異様に多く、しかもそこら中で電線なんかが道路を横切っている。その点、一般的なロンドンの通りでは、信号機や街路樹などはあるものの、総じて突起物は少ない。少なくとも目障りな電柱や電線はまずないから、ヘリコプタも着陸しやすそうである。ヨーロッパの都市が小綺麗な感じがするのは、このあたりの違いなんだろうけれど。



村役場
2003年9月8日(月曜日) 晴れ

町役場や村役場は、管轄している行政区域の中に置かれるのが当たり前だと思ていたのだけれど、鹿児島県十島村と、鹿児島県三島村の村役場は鹿児島市内にあると知って、ちょっとびっくり。なぜなのか調べてみると、同じような疑問を持った人の考察が出てきたが、いまいちよく分からない。理由はともあれ、どちらも離島だけの村だから、役場は鹿児島にあった方が何かと都合が良いのだろう。どっちにしろ、離島という環境では住民サービスを行う支所は欠かせないのだし。ほかにも、役場が関係のない場所にある市町村はあるのかな。

飛び地といえば、横浜市と山梨県道志村合併するなんて話が出ていた。他県であるのはまあいいとしても、隣接すらしていない自治体と飛び地合併するというのは変な感じだ。実現すれば、人里離れた山奥をグネグネとゆく国道413号のどこかの峠に、「横浜市道志区」なんていう奇妙な看板が立つかも知れないという話なんだから、間違いなく変だ。交差点手前の道標にそんな案内が現れたら、地理に不案内な人は道を曲がり損ねるに違いない。まあ、それはそれで面白いかも知れないと思っていたのだが、これは今日、市議会で正式に立ち消えになった模様。

そりゃそうだろう。関係が深いのは事実だとしても、理由として「今や両市村は生活圏として一体性を有している」を挙げるのには、どう考えても無理がある。生活圏っていうのは、同じスーパで買い物をしているぐらいのことをいうんじゃないのかねえ。



安く送る
2003年9月6日(土曜日) 晴れ

毎月一回、多くも少なくもない数の、明細書のような案内を郵便で送るのは意外と大変である。一度に何万通も送るのなら、印刷から封入まで機械でやってしまうのが合理的だし、そういう作業を専門に請け負っている業者に外注することもできるのだが、小口でも大口でもない「中口」の場合――具体的には百通〜数千通ほどの発送作業は、そうシンプルにはいかない。なぜなら、合理的にやろうとすればやるほど、機械の費用や外注の作業基本料といった、発送通数と比例せずに発生する固定費が増えてしまうからだ。通数が多ければ、一通あたりの単価は妥当な金額になるのだが、中口に分類される数量では、できるだけコストを抑えたいという要求とは相反する単価になってしまう。

どうすれば、安く送れるか。まず考えるのが郵便料金だろう。封書は80円かかるが、葉書なら50円で送れるから、必然的に葉書を選択することになる。そこで、圧着葉書(貼り合わせてあるのを剥がして見るやつ)を検討したことがある。普通の葉書と同じ料金で送れるわりに、単純な葉書よりも書き込める面積が大きく、情報の隠蔽もできるうえ、「Z折り」のものは宛名と情報を一回で印刷できると、良いことずくめなのだ。何千枚か発注すれば葉書の単価は20〜30円ほどで、まあこれはいい。ところが、中口では圧着工程にかかる費用が問題になってくる。圧着する機械を買うほどでもないから、外注を検討するが、数にかかわらずそれなりの最低料金がかかるという。曰く「機械にセットする手間は少数でも同じですから」と。

圧着葉書がコスト的に使いにくいと分かり、代替になるものを探したところ、普通の官製葉書に、役所などがときどき使っている「目隠しシール」を貼るというアイデアにぶち当たった。これは葉書に印刷された情報のうち、郵送途中に第三者に見られたくない部分だけを隠蔽し、到着後、受取人がシールを剥がして内容を読むというもの。面積の不足は、葉書の背面だけでなく、宛名面も活用することで解決することにした(葉書の宛名面のうち下半分には任意の内容を書いていいことになっている)。背面には誰が見ても良く、宛先ごとに変化しない説明だけを印刷しておき、宛名面には、宛名の印刷と同時に、宛先ごとに異なる明細などを下半分に刷る。最後に、下半分を目隠しシールで隠蔽するという寸法である。

このシール貼りは機械にやらせたいところだけれど、いまのところ手作業でやっている。理由は圧着葉書と同様、機械を買うほどではないし、外注するとそれはそれで高いからだ。ただ、圧着葉書と違って、根気さえあれば手作業でできる点からシールを採用するに至った。実物を見たことがある人もいると思うが、これがなかなか良くできている。光を通さないよう裏が黒く加工されている紙と、透明なフィルムが密着した二層構造になっていて、剥がすときは、透明なフィルムだけが紙に残って綺麗に取れるようになっている。また、いったん剥がすと二度と張り合わすことはできない。見栄えはいまいちだが、機能的には問題ないので、十分である。

ちなみに、ここだけの話だけど、シールの単価は15円。剥がして捨てられるだけのシールなのになあ・・。



新聞輸送
2003年9月4日(木曜日) くもり/晴れ

深夜の高速道路で目に余る運転をしているのは、鮮魚を運んでいるトラックに多いと書いたけれど、市街地では、新聞輸送のトラックが神風系の筆頭に挙げられるのではないだろうか。印刷所から上がってきた新聞を各販売店に配送しているのだろうが、鮮魚は競りに、新聞は早朝の配達に間に合わせなければないという時間的制約がある点では、両者で共通だ。それゆえ安全運転どころではないのか、速度超過なんて当たり前だし、信号無視さえ目撃したことがある。ここらは車体に新聞社のマークが入っていたり、「新聞輸送」などと書かれた 2トンぐらいの幌トラックが使われているから、まあ目立つこと。

それゆえ、トラックの絡む死亡事故がセンセーショナルに取り上げられるたびに、「お前んとこのトラックはどうなんだ」と思ってしまう。トラックが事故を起こす背景には無理な納期や輸送計画がある、などと分析してたりする新聞が、まさにその無理な輸送で届けられている(少なくともわたしにはそのように思えることが多い)のだから、あまり説得力がない。案外、新聞社もそのことを承知していたりして。速度リミッタ装着義務化のことが、むしろ時間的に厳しい仕事をやっている運送会社に対し、やや同情的なトーンで書かれているのは、新聞社も声を大にして言えないからではないかと勘ぐってみたくなる。

まあ、新鮮な魚が食べられるといった便利な生活が速度超過で支えられているのも事実なんだが。



速度リミッタ
2003年9月2日(火曜日) くもり/晴れ

9月1日から、大型トラックに 90km/h の速度リミッタを装着することが義務化された。高速道路における死亡事故の多くで、速度超過の大型トラックが原因となっていることや、欧州諸国でリミッタが成果を上げている実績などを鑑み、日本でも検討されることになったのだという。リミッタの話はわりと昔からあったと思うが、これに対しては、業界からかなりの反発があったと聞く。が、堂々と反対したのでは、速度超過を容認せよという主張になってしまうからだろうか。「渋滞の原因になる」「物流が滞り経済への影響が大きい」と、遠回しな反対はあったが、そもそも大型貨物の法定速度は 80km/h であり、法律違反を前提とした議論には応じられないと、義務化が決まったそうだ。

道路には、その場その場の状況に応じた実勢速度というものがあることは認めるが、深夜の東名あたりを走ることがある方なら、神風トラックのいかれたドラテクなど見飽きるほど見ているだろう。際だって酷いと感じるのが、鮮魚を運ぶクソトラックだ。前に出るためには手段を選ばないとばかりに、やたらと煽ってきては車体が左右に傾くほどの鋭い動きで際どい割り込みを繰り返し、おまけにこれは一種のご挨拶なのか、排水パイプから海水をぶちまけていくのだから堪ったものではない。早朝の競りに間に合わすためには、ああいう運転にならざるを得ないらしいが、だからそれを認めろと言わんばかりの見解があることには驚くしかない。あれでは、事故が起きない方が不思議だ。

念のために付け加えておくと、大半のトラックは丁寧な運転をしていると思う。神風系は危険や怒りを感じたりするので印象に残りやすいが、数の上では、リミッタなど無くても十分な車間距離を取って 80km/h〜90km/h で上品に走っているトラックの方が間違いなく圧倒的だ。乗用車との比較でいえば、妙に車間を詰めてきたり、際どい割り込みをしてくるタイプの運転は大型トラックに多い感じがするが、一方で、初めて走る道で急に右折車線になっちゃって無理にでも戻りたい場合とか(まあこれは道路の設計に問題があると思うんだが)、入りにくい合流で譲ってくれるのもトラックである。速度リミッタがすべての大型トラックに着くのは数年後になるが、さてその効果はどれほどのものだろう。

多少の速度超過はともかくとして、神風系が排除されればいいのだが。



突撃実験室