多事毒論(2004年5月分)


角煮
2004年5月31日(月曜日) 

作ってみた角煮
今日は角煮っぽいものを作ってみた。厳密には昨日から煮込んでいたのだけど。

角煮の盛りつけ
周りにチンゲンサイを並べて,椎茸やや多すぎのタレをどば〜。味は悪くなかったけれど,クセが抜け切れておらず,ちょっとキツイ感じ。自己採点で75点を達成するのはまあ何とかなるけれど,難しいのはそこから先だもの。

って,これだけ書いてたのでは,淡々と記録するよ系になっちゃうな・・



無尽蔵
2004年5月30日(日曜日) 

指輪物語の映画を観て,レゴラス(かっこいいエルフさん)の矢は,射まくっているのにいったいどうして尽きないんだ,と疑問に思った方もけっこう多いはずである。まあ,あれはそもそも異世界のお話であるので,そんなくだらんことをいちいち気にするのは無粋の極みと言えるが,あるときスパイダーマンの予告編を観ていたら,スパイダーマンが繰り出す糸はどうして尽きないのか,という疑問が沸いてきた。少し調べてみると,スパイダーマンの糸は,空気と反応して瞬時に硬化する自ら開発したポリマを,やはり自ら開発した発射装置から飛ばすことにより生成されている,という設定になっていた。原料は,交換可能なカートリッジから供給されていて,カートリッジ一本で1,000メートルほどの糸を出せるらしい。

なるほど,そこそこ無理のない設定になっているが,わたしだったら,デュポンかどっかに特許のライセンス話を持ち込んでると思うな,これ・・・。

5月30日の夕餉
今日の夕食。牛肉とセロリと椎茸の炒め物,ほうれん草と豆腐のみそ汁。白菜と鶏肉の煮物は,昨日の残りもの。

小鉢のアップ
小鉢のアップ。これなんだか分かりますか。答えは,椎茸の軸だけを刻んで炒めたもの。



原料
2004年5月29日(土曜日) 

毎月かかっている食費には,人によって,よくそれで栄養失調にならんもんだと驚くべき金額から,そりゃ贅沢しすぎだろと思うのまでかなりの開きがあると思うが,人間一人が平均的な食事をするのにかけるべき妥当な金額ってのは,いったいどのぐらいなんだろう。コーヒーや酒代を食費に含めるかどうかといった会計基準の違いもあれば,もともとの収入の差も,生活習慣の違いあるわけだから,金額の大小だけを比較するのは適当でないと思うが,どちらかといえばやや多い方だという気がする自分の食料品支出額は,世間並みからどのぐらいズレているんだろうと,気にならなくもない。といいつつ,詳細な額は当人も把握していないのだが,スーパーでの支払いに使っているカードの明細などから推測して,少なくとも月4〜5万円はかかっているようだ(現金払いもあるので,実際にはもうちょっと行ってると思うが)。

月4〜5万円といっても,日額にすると1,333〜1,666円ってところだから,そうやって見るとさほど多い感じはしない。昼は外食で,夕飯に良くも悪くもない普通の食事を作っていれば,たぶんどうやってもそのぐらいはかかる。これを高いと感じて節約に走るか,そんなもんだと思うかは,「食費を切り詰めてでも派」と「食事だけはマトモでないとダメ派」で分かれるところだろう。わたしは明らかに後者なので,食事のグレードを下げてまで倹約しようという気にはならないが,食ったモノののうち血となり肉となっている分は微々たるモノで,大半は熱として発散していくか,ウンコの原料になっているだけだから,それはかなりもったいないぞ,みたいなことはけっこう考えてしまうなあ。かといって,食わないわけにはいかないのだけれど。

本日の夕餉
なわけで,今日のウンコの原料もとい夕餉は,イシモチの塩焼き,白菜と鶏肉の煮込み,小鉢はカブラ。

メインディッシュ
イシモチのどアップは怖かった。



食ったモノ
2004年5月27日(木曜日) 晴れ/やや曇り

最近人に教えてもらって,自民党の安部幹事長(たぶん本人)が「幹事長のブランチ」という blog を書いていたのを知った。いまは休止中とあるけれど,三日坊主で終わらずに再開してくれないかな,これ。この「幹事長のブランチ」というタイトルだけを見ると,平均よりもゴージャスな食事の様子が思い浮かぶが,そんな憶測をほどよく裏切ってくれるクオリティの低さが,かえって興味をそそるというんだろうか。食べているものもなんだか妙に貧相(といったら失礼だけれど,小食な方なんですな)だし,テキトーに並べて,携帯のカメラでテキトー撮りました。ピンぼけ手ぶれも気にしません,っていう投げやり感たっぷりの撮影スタイルも,いい味を出していると思う。

わたしも,その日に食ったモノをネタにしようと思ったことがあるのだが,これはうまくいかなかった。食べる前まではやろうと思っていても,いざ食事を前にすると,写真を撮ることなんか忘れて食べ始めてしまったり,自分で作っていれば作りながら食べていたりもする。気づいたころには半分ぐらいなくなっていたりして,撮影する気がなくなるのである。でも,たまにはそんなこともやってみようかと思って,「今日は安部幹事長やで!」と,分かる人にしか分からないギャグを飛ばしながら,夕食の写真を撮ってみた。場所は,米系レストランチェーンで,みなとみらいに店がある「SIZZLER」だ。メインディッシュはイマイチだが,明らかにサラダでないものも大量に用意されている「サラダバー」が好きで,ときどき行くレストランの一つである(サラダバーだけの注文も可能)。

サラダバー1枚目
まずはサラダバー1枚目。サラダはトウモロコシを載せるのが好み。

メインディッシュ
メインディッシュ。目が合った気がした。

サラダバー2枚目
ロブスタと戦ったあと,サラダバー2枚目。この辺から,非サラダ化してくる。

サラダバー3枚目
3枚目で完璧に非サラダ化。カレー,グラタン,焼きそば……も,サラダバーの一部です。

デザート
最後にデザート。ソフトクリームを基材に,あらゆるものを載せる。

そして,ここらで腹八分目。食べ放題では,つい「元を取ろう」と考えながら食べる貧乏くささの記録写真集になってしまった気がするが,まあいいか。



ラジオの製作
2004年5月26日(水曜日) 晴れ/やや曇り

今日も「大人の科学」のふろくであるラジオで遊んでいた。といっても,ゲルマニウムダイオードの代わりに,ショットキーバリアダイオード(しかもウエハから切り出しただけのダイ)でも検波できるということを確認してみたぐらいなのだが・・・。なぜショットキーなのかという話は,また後日。

ラジオと言えば,ガキのころは「ラジオの製作」という月刊誌をよく買っていた(何年か前に事実上廃刊となってしまったけれど)。内容は,電子工作と無線の総合情報誌といったところで,毎号,特集などのほかに,実態配線図と回路の解説が付いた丁寧な製作記事が何本か掲載されているというものだった。なるべく小難しい雰囲気を出さない編集方針が取られていたと見られ,そのスタイルには好感を持っていたのだが,いただけなかったのは,マンネリズムだ。廃刊間際は読んでいなかったのでどうだったか知らないけれど,毎号何らかの製作記事が載っているといっても,多少アプローチを変えてみただけで,別の号で見たのとあまり変わらなかったり,作っても実用性があるとは思えないものが多かったと思う。

「ラジオの製作」という看板のしがらみか,毎号最低一つはラジオの製作記事が載っていた記憶があるが,CDとかMDプレーヤをみんなが持っている時代に,たとえば中波放送をイヤホンで聴くような程度の悪いラジオを作ってみたいとはあまり思わんだろう。自作のラジオが鳴ればそれなりの感動を覚えることは確かだし,中波ラジオの受信機は簡単だから,ごく初心者向けの工作としては非常に適した題材だとは思うが,いまさらラジオっていうのもねえ,と思ったらやる気をなくすのでは。しかし,ラジオが流行らないならといって,「携帯型MP3プレーヤの製作」なんてやっても,面白いが,きっと誰も作れない。あらゆるものが高度化,ブラックボックス化する時代に,初心者向けの「面白い」電子工作のネタは存在し得ないということだろうか。

そもそも何らかの工作をやる人口が減っていると言われたりするが,何かを作ろうと考える人は一定の比率で存在すると考えられるわけで,ハードをいじるのが大変になったこの時代,何十年か早く生まれていれら電子工作に手を出していた可能性のあるタイプの人は,代わりにソフトを書いているのかも。ソフトに関しては,パソコンも普及したことだし,アセンブラでゴリゴリやっていたような時代と比べれば,初心者でもかなり取っ付きやすくなっていると言える。電子工作に関係する書籍が廃れつつあるなかで,ワンチップマイコンを扱ったものはいまもっとも元気なように思えるが,これはソフトから入っていく人口が増加していることの証か。ハード的にはとりあえず繋げば動く,あとはソフトでいろいろ遊んでみてねってスタイルは,確かに今風だろう。



学研のふろく
2004年5月24日(月曜日) 晴れ

「大人の科学」のふろくである(「ふろく」は平仮名で書くのが正しいらしい)である鉱石ラジオで遊んでいて,学研の「科学」とは,小学生以来の付き合いであることを思い出した。学研は定期購読していたから,思い返せば毎月のように何らかのふろくを組み立てていたわけであるが,飽きっぽくモノに執着しない性分ゆえ,具体的にどんなものを作ったのかはほとんど記憶にない。作ったものもどれ一つとして残っていないから,ぜんぶ捨ててしまったんだろう。何となく覚えていることと言えば,電気系のふろくにはほぼ必ず付いてくるペラペラのエナメル線ってやつが気に入らなかったことと,何かのふろくに使われていた三色LED(赤と緑の素子が一つのランプの中に封入されているヤツ。同時に点灯すると橙になるので,三色)が,あまり目新しく思えなかったことだ。

配線材料としてよりスマートなビニール線なんか大量にあったし,LEDもあの当時から各色在庫していたから,三色LEDも家に何個か転がっていた。それから幾星霜たった今日,ふとしたきっかけで思い出してしまったこの記憶を,いったいどう解釈すべきなんだろう。場所が自室の片隅から,零細企業のいわゆる「個人部署」に変わり,同じことをやってお金をもらえるようになったことを除くと,いまやっていることは当時からほとんど変わっていない。考えようによっては,電線とかLEDとかであのとき階段を踏み違えたまま,いままでずるずると来ているだけって解釈もあり得るわけで,もしかしたら,ぜんぜん違うことをやっているほかの人生もあったんではないか,とかね。



鉱石ラジオ
2004年5月22日(土曜日) 小雨

昨日書店に立ち寄ったとき,学研が出している「大人の科学」という雑誌に鉱石ラジオキットが付録されているのを見つけて,衝動買い。そのキットの中身はなかなかのもので,要の検波器として,二種類の鉱石のほか 1N60 の互換品か何かであろうゲルマニウムダイオードが付いており,同調回路のコイルとバリコンは,それぞれUEW線と二枚のアルミ板から手製するようになっている。理屈の上では,これだけでクリスタルイヤホンが鳴ることになっているが,ガキのころ,家のロケーションが悪くて泣いた経験のある人も多くいることだろう。そんな,弱電界地域居住者に対する気配りか,2SK241 一石を使ったの簡単な高周波増幅回路まで付いてきて 1,600円なんだから,正直これは非常に安いと思う。ハードカバーなら,これぞ出版不況の元凶と言いたくなるような,つまらん本だけで同じぐらいの値段だったりするからねえ。

まず最初に作るのはアンテナを兼ねるコイルだ。巻数こそ計21ターンと少ないが,心材の構造上,実際の作業量は空芯コイル換算で200ターン相当って感じであった。コイルを綺麗に巻くには,線材を繰り出す際に,線材がもともと持っているクセを矯正しつつ,新たな形状を覚えさせる気持ちで,ある程度のテンションをかけておかないといけないのだが,これをやれば当然,手が痛くなる。そしてもうイヤだと投げ出しそうになったころ,ようやくコイルが完成。コイルができたら八割方終わったようなもので,あとは二枚のアルミ板を合わせて手製するバリコンや,プラスチック製のボディなどを組み立て,増幅回路が乗っている基板から生えている電線を,コイルやクリスタルイヤホンに繋げば,ラジオのできあがり。早速,鉱石による検波を試みたいところだが・・。

自宅ではロケーションが悪すぎる。ベランダに持ち出して,鉱石でなくゲルマニウムダイオードを繋ぎ,高周波増幅を行って,ようやくどっかの局が何とか入感する程度だ。これではお話にならないので,ロケーションの極めて良さそうな,高台のてっぺんにある公園で実験することにした。日も暮れきった夜の8時過ぎ,公園の片隅で耳に隅でイヤホンを当てながら,コイルのぐるぐると巻かれた怪しげな装置を調整する男――知らない人が見たら大いに訝ることだろうが,気にせず続行だ。まず,ゲルマニウムダイオードで検波しながらバリコンのダイヤルを回していくと,確かにここなら色んな局が受信できた。不運にもこの時刻には,NHK以外の全中波局が阪神巨人戦の中継を放送していたため,どこを聞いても同じ野球中継で,正確な周波数が分からないラジオでは,どれがどの局なのかさっぱりであったが。

しょうがないので,とりあえず聞こえてくるなかで,もっとも強そうな局(内容はやはり野球中継)に合わせておいて,ゲルマニウムダイオードを鉱石に取り替える。石ころに何度も針を当てながら,検波するポイントを探ること数分(検波する箇所はごく一部)。そして,あるポイントで,ちゃんと聞こえてきました,野球中継が。ラジオなら何度か作ったことがあるのだけれど,鉱石による検波でラジオを聞いたのはこれが初めてなので,「こんなものでもラジオになるんだ」という感動は確かにある。しかし残念だったのは,FET というハイテクなもので高周波増幅を行わないと,聞けなかった点だ。もっと粘ってより良好な検波ポイントを探せば聞けたのかも知れないし,もっと送信所に近いところじゃないとダメなのかも知れないが・・・

また,時間のあるときにでも実験してみようか。



突撃実験室