RT102iをバラす


家に使っていないISDNルータ(ヤマハ RT102i)がある。



実は、今の家の回線はアナログだから使いようがないのだ。こいつは実家でISDNを使っていた時に使用していたもの。いまさらISDNルータなど4〜5万もあれば立派なものが買えると思うが、わたしがこれを買った時は14万円ぐらいした。この業界の値下がり曲線にはついていけない。タバコと比べればわかるが、そんな大きな物ではない。最近のISDNルータと比べれば、かなりコンパクトな作りだ。しかし、見かけの割には重量があり、ずっしりとしている。何が入っているのか知りたくなって、バラしてみた。

まず出てきたのが、全面を覆うシールド板。重くしている一要因のようだ。



それを剥ぐと、基板がでてくる。写真ではやや分かり難いが、シールド版の窪んでいる部分は、基板上のALiとマークされた部品に接触するようになっており、ヒートシンク代わりになっている。恐らく発熱が激しいのだろう。放熱用のシリコンが塗られていたが、撮影のためにティッシュで拭いた。



なかなかコンパクトな作りだ。多層基板になっており、裏面にも細々とした部品がついている。右側に製品では使われていないコネクタがある。初期設定の用途などに使われているのだろうか。



こちらがCPU。メーカーはチップセットで有名な台湾のALiで、型番はM6117B、動作クロックは32MHzと思われる。これは、Intelの386SXがベースにDRAMコントローラや、ISAバスが搭載されたワンチップCPUだ。その右側にあるのが、日立製の16Mbit DRAM。左側にあるのは、フラッシュメモリだろうか。



全体写真左側にある大きいチップがこれ。AMDのイーサーネットコントローラ AM79C960KC だ。こいつは主にAT互換機のISAバスに(多分)直結して使えるもので、恐らく先のCPUにはISAバスで接続されているものと推測される。



この辺がISDNインターフェースのIC(右側の2つ)や、恐らくその関係のトランスやらだ(YAMAHA YTD418-FとQYH410-34F)。恐らく、いずれもS/T点インターフェースと思う。

要するに、こいつは小さなAT互換機みたいなものに、イーサーネットとISDNのインターフェースがついたものと言える。こういうものは、ハードウェアよりもファームウェアの開発の方が面倒だ。このような構造にしておくと、普通のパソコンで開発やデバッグが簡単にできるというメリットがあるのだろう。



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