見えないバーコード


郵便局のこちらのページによれば、郵便物に記載された7桁の郵便番号は機械で読み取られ、バーコード化して郵便物に印刷するのだという。これにより、OCRのような機械は一回だけ通して、後の仕分けはバーコードを読み取るだけ行えるようにしているのだろう。

この郵便局で勝手に印刷されるバーコードだが、「透明または極淡い色の特殊なインクを使用します」と但し書きがある。そりゃ、人の郵便物に派手な色のバーコードを勝手に印刷されたようでは困るのだが、同じく郵便番号をバーコード化して印刷しているアメリカでは、蛍光色の可視インクを使っていた記憶がある。ちょっとしたものなので実害は無いとは言え、こういうところには妙に気を配りたがるのが日本人ってやつだろうか?

んで、「透明で特殊なインク」と来たら相場は決まっている。
紫外線を放射すれば浮かび上がるに違いない! ということで実験してみた。



まずは紫外線源を用意するのだ。写真は会社にあるROM消しをバラしたもの。小窓がついているICとしておなじみの?EPROMは、その窓に紫外線を当てると記憶喪失になる。それ故、ROM消しは良い紫外線源となり得るわけだ。その中身は至って単純で、殺菌灯が二本と、安定器、それからタイマーが入っているだけだ。




まずは、家に来た郵便物を蛍光燈下で撮影。肉眼では何も分からない。



ところがところが、紫外線を当てるとあら不思議。オレンジ色のバーコードが浮かびあがった。先程の郵便局のサイトによると、郵便物には住所を示す局内バーコードと、IDバーコードと二本のバーコードを印刷するらしい。区分機で住所が正しく読み取れた場合には局内バーコードを印刷するそうだが、この封筒にはIDバーコードと思われる一本のバーコードしか見当たらなかったことから、区分機では住所が読み取れなかった無かったものと考えられる。




次に、こちらはNTTパーソナルから届いた電話の料金明細書だ。これには、カスタマーバーコードと呼ばれる、差出人が予め印刷するバーコードが記載されている。カスタマーバーコードを記載して大量に郵便物を出すと、割引が受けられるのだ。これらは予めバーコードが印刷されているので、郵便局ではバーコードを印刷しないかと思っていたのだが。



意外なことに、紫外線を当てたらオレンジ色のバーコードが浮かび上がった。ちょっと見にくいのだが、写真奥がIDバーコード、写真手前が局内バーコードであると思われる。しかし、色々と調査してみたところ、一般的に以下のようになっているようだ。


つまり、このNTTパーソナルの封筒だけは何からの理由でカスタマーバーコードがその機能を果たせず、郵便局のバーコードが印刷されてしまったようだ。先月のNTTパーソナルの封筒には、郵便局バーコードはなかった。



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