君にあげられた最後の花は薄紫のバラだったね。
群衆に逢ひたき人に似し影を見れば騒ぎぬ血汐ぞ熱き
その影を見れば目の追ふ香と声の記憶は消えぬ冬の日溜まり
影追ひて違ひし時に胸裂くる痛み覚ゆれどなほ追ひにけり
いくたびも見つけて追ひて願へども何故一目だに巡り逢ひえぬ
はりつめる青空に煙と消えゆかば悩みも失せて楽にならましを
辛くとも生まれたる日が同じ人宿世ぞ覚ゆ嗚呼君なれど
絶えず寄せ砂の城など流し去る波の如きになすすべもなし
改作:平成壱拾五年四月弐拾五日 斎藤知宏
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