瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ 崇徳院御製
重い腰を上げた記念すべき第一回は「阿修羅城の瞳」の余熱で選びました。
これは崇徳院の御製で、鶴屋南北の四谷怪談でも使われているそうですね。
(と、芝居で知ったのですが)
さて、さっそく解説に行きましょう。
まずは意味から。
1.瀬の流れが速いので
2.岩にせき止められて
3.急流のように
上句は下句の序です。
4.別れても最後には
5.会いたいと思う。
水が分かれるのと、二人が別れるのと掛けられています。
(別によりを戻すとかいう歌ではないはずですが)
瀬を早み岩にせかるる滝川の、が序というのはなぜかという話。
この歌はおわかりの通り、川を読んだ歌ではありません。
あくまで自分の恋心を読んだ歌です。叙景ではなく叙情です。
今は別れてもまた逢おう、というその決意がメインなわけです。
別れても、と言うその言葉を出してくる為に、急流が岩にぶつかって分かれるという表現を出してきているわけです。
なので、上句が序になります。あんだーすたんど?
次に、分解して文法を確認してみましょう。
★早み=早まる(自・四)の連用形です。川の流れが速くなって、というわけですね。
★せかるる=堰く(せき止められる)(他・四)の未然形「せか」に受身助動詞の「る」が接続です。
「る」は「滝川の」に接続するためには連体形にする必要があるので「るる」、くっつくと「せかるる」です。
★逢はむ=逢ふ(自・四)の未然形「あは」に推量助動詞の「む」が接続です。この場合は一般的な推量ではなく、決意ですね。逢おう、と言う意味になります。どうやってその意味を判断するかは、文脈次第ということになり、初心者キラーです。
これは調べながら書いていて、ちょっと苦労しました。わかりにくいのよ、言葉が。こういうのをかみ砕けるようになると、自分の作歌に役立つと思います。では、また次回。
戻る