志賀の山ごえにてよめる
白雪のところもわかずふりしけば いはほにもさく花とこそ見れ 紀あきみね
最近寒いですねぇ。前にもめちゃくちゃ冷えて公園の噴水が凍ってましたが、最近ましになったと思った途端、冷え込むわ雪は降るわなので雪の歌を取り上げてみました。今回は古今和歌集冬の歌からです。
ちなみに姫路は吹雪いてましたよ。花のように思えるのはわかりますが、
寒さに弱い変温動物としては歌どころではありませんでした。
それでは早速。
1.白雪が
2.場所の区別なく
3.降りしきったので
4.巌にも咲く
5.花と(思って)見たことだ。
係助詞があるので強調されていて、4〜5句の意味がわかりにくいかも知れないが、
意味自体は「巌に咲く花と見る(思った,見た等)」
ということは、恐らくつもった感じがそう見えたのだろう、と思います。
巌で余談。これは当然旧かなで「いはほ」と書いていますが、
この間正式に制定された君が代の「いわおとなりて」の巌です。
君が代は新かなで書いているあほぽんたんですから、
若い人が「岩音鳴りて」?とか思うわけです。
岩音って、ごろん、がつん、とかそんな音なんですかね。
では、部分ごとに見ていきましょう。
★わかず
分く(自・4)に打消ずが接続したものが連語となって、今では辞書にも「わかず」と載っている。区別が出来ない、等という意味。
★いはほにも
にも、は格助詞にに係助詞もが連なったもの。〜にさえも、等の意味になる。
★花とこそ見れ
見る(他・上1)は係助詞こそをうけて、見れという已然形で終わっている。
已然形で受ける係助詞は少ない。
ちなみに、「こそ」は「ぞ」よりも強調の度合いが強い。
上でも書いたとおり、係助詞を除けば「花と見る」。
アプローチの方法としては、「花が咲いている、あ、雪だったのか」ではなくて、
「雪だ、岩に積もった雪が花に見える」と言っているので、
雪も岩も認識しながら、それが花のようにきれいだと言っていると考えたい。
だからこそ、「花とこそ」という表現になると思う。
という、この言葉を使う必然性と言うものを考えながら作歌をするべき、というお勉強でした(こじつけ)。
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