6.結句の終わり方


 ある人から、「近頃結句が終止形で終わることが多くて、悩んでいる」と相談を受けましたので、まーそれ以外の終わり方について考えてみようかな、と。同じ悩みを持っていらっしゃる方はどうぞ参考にして下さい。止め方の名称はもしかしたら勝手な呼び名かもしれないので、便宜上付けた名前だと思っておいて下さい。
 今回は著作権の調査がめんどくさいので、例に出す歌は基本的に自作にしておきます。でも自作なので、転用等はやめて下さいね。そんなことしないで、良い歌作っていきませう。


★体言止め:名詞で止める。ずばっと言えるので、余韻は少なくなる場合が多い。とは言っても、1首の流れにもよると思う。
例:賞状と過去では食まれず一頁重きをめくる求人雑誌

★終止形止め:動詞、助動詞、形容詞等の活用、終止形で止める。文章としては非常に当たり前な終わり方だと思うが、定型詩ではそうではないのか。古風な「けるかも」等の終助詞に比べ投げやりとか言われがち。言いきりではあるが、余韻が残るかどうかは一首の流れか。しかし、原則的には余韻は小だと思う。
例:好古園池の水面に映りたる紅の葉はまたひとつ落つ

★連体形止め:動詞などの連体形で止める。まぁ、文法上では誤用であるけども、結構昔から人気がある用法。文語短歌であれば、係り結びの法則という技が使えるが、この技自体が古風と言われるかもしれない。下の例で言うと「儚きコトヨ」と続く感じがあるので、余韻は残りやすい。
例:街埋むるあまたの粒の光受け風にて舞ひし髪ぞ儚き

★終助詞止め:「かも」などの、いわゆる終助詞で止める。最近はあまり見なくなった。これを乱発すると「けるかも調」とひやかされるかもしれない。詠嘆の歌が少ないせいか個人的にはあまり使わない。「けるかも」でなくても終助詞はいろいろあり、そういうものであれば今でも使いやすいかも知れない。
例:はりつめる青空に煙と消へゆかば悩みも失せて楽になりましを
「を」が終助詞。

★否定止め:「ず」、「じ」など、スパッと否定で終える。余韻は小。個人的には好きだが、ネガティブ、消極的という声もある。暗い歌が嫌いな場合は使いづらいか。これを使う場合、一首をきっちり考えて、ここぞとばかりにやらないとおもしろみがない。若山牧水の子供の歌で有名なのがある。
例:君と吾で贈りあひたる腕時計今は二人の時を刻まじ

★疑問止め:「か」「や」などの疑問で止める。正岡子規の歌をざっと見てみたが、見あたらない。比較的新しいのかな? 石川啄木では発見できた。
例:平井堅のエヴァンイフ聞く汝もまた救いの手もとむ恋の迷子や
まさかこんなところで名前と曲名がでているとは思いもしないでしょうが。まぁ、好きなので。ねちっこくてあまり前向きではない良い曲です(誉めてます)。

★逆接止め:「なれど」等の「ど」で止める。意味自体は「だけれど、〜」だが、流れによっては絶望的な印象を与える。個人的にはこれをよく使う。この止め方で、石川啄木の歌は有名なのがある。著作権OKでしょう。
例:新しき明日の来るを信ずといふ/自分の言葉に/嘘はなけれど(石川啄木)
この流れが最高です。明るいことを言いながら、最後に嘘はなけれど、と続ける。


★倒置法:ちょっと違うが、一応止め方か。自作でちょうど良いのがないし死後かなりたっているので山川登美子の歌を引用する。でも、これはひっくり返しても、返さなくても、どっちも終止形だった・・・。
例:をみなにてまたも来む世ぞ生まれまし花もなつかし月もなつかし(山川登美子)

こんな感じでしょうかね。こんなのもあるんじゃない?というのがあったら教えて下さい。協議の後、掲載させて欲しいです。


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