唯の歌




 近頃は我と眠らず明けぐれに横にきぬらし毛の落つる見ゆ
 近頃は我と眠らず明けぐれに横にきぬらし吾子の毛のあり
  平成壱拾五年四月弐拾壱日 斎藤知宏


 唯驚き走る下には我の肩服脱ぎ見れば一筋の朱
 寝台の下に潜りて歩きたる頭ぶつかる”コツ”てふ音す
  平成壱拾五年四月弐拾日 斎藤知宏 被害届(嘘)


生後八ヶ月になる猫の唯に避妊手術をして(2首)
 猫のため良しと言はれど腹の傷見ては思はぬ親心かな
 子を残す力を奪ふ行ひに許さるるまでの正義はあれや
  平成壱拾五年参月壱拾八日 斎藤知宏


唯の手術後悩める我に、イラク開戦不可避の報入りて
 猫よりも争ひやめぬ人といふ動物にこそ手術すべしや
  平成壱拾五年参月壱拾八日 斎藤知宏


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