レモンの皮むき


先日、蜜柑の皮むきで、薬品を使って蜜柑の皮を剥く方法を紹介した。この方法、蜜柑で使えるという事は、他の果物で使えても不思議ではない。もちろん、何でも剥けるとは思わないが、特に柑橘類ならば応用がききそうである。薄皮を剥く際にとにかく困難を伴う柑橘類...例えば、金柑やレモンなどは、殆どの人は皮など剥いたことがないだろう。これらを強引に剥いてみよう、というのが本企画だ。



金柑は冬に実が生るので、今は手に入らない。代わりにレモンを買ってきた。普通は、このまま薄切りにされて皿の飾りになるだけか、汁を搾られ、捨てられるだけの運命。そんな可愛そうなレモンを何としても救ってあげたいという一心で、果実だけを綺麗に取り出してあげることにする。まずは表の皮に包丁で筋を入れて剥くのだが、これだけでも、非常に剥きにくい。でも気合いを入れて剥くと、こうなる。



なんか、ちょっとかわいい(笑)

次に房をバラさなければならない。レモンはミカンと比べると房の接着力が異様に強く、これをバラすのにもかなりの力がいる。しかし、力ずくで無理をすると中の果肉がつぶれてしまうので、慎重に行う。さらに気合いを入れてばらすと、こうなるのだ。



そして、こちらで紹介した方法を用いて薄皮を剥いたものが、これ。



こんな姿のレモンは、本邦初!?

さて、これをどう使うかが問題なのだが、ここでは、レモネードを作ることにした。グラスに水を入れ、レモンの果肉を搾らずにぶち込み、更に好みの甘さに合わせて砂糖を入れる。しかし、このままではレモン果肉が適当に浮遊する砂糖水に過ぎない。レモネードに変身させるため、グラスに匙を突っ込んで果肉を有る程度つぶすのだ。そして、出来たものが...



つぶ入りレモネード?

この液体を少量、恐る恐ると口に含んだ直後には、脳はこれを一般的な美味しいレモネードであると認識した。何だ、意外と普通にいけるじゃねえか。それまであった不安や迷いは一気に解消され、次は大胆かつ大量に、口へと流し込む。だが、液体と同時に紛れ込んだ果肉が無意識のうちに噛み潰された瞬間、スッパムーチョに勝るとも劣らない酸味が味蕾を強烈に刺激し、酸味への防御が未完成のままである舌咽神経にゲリラ的な不意打ちを仕掛ける。

どちらかといえば甘いはずのレモネードに対して予想外の異様な味覚を即座に察知した大脳は、その新事実を本能の一部として取り込み、そして、次に訪れるであろう酸味に備えるべく唾液腺には緊急指令が発令され、大量の唾液が否応なく分泌される。それは、何もこの奇妙なレモネードを口に含んだ時だけではない。レモン果肉たっぷりのグラスに視線を移しただけで、酸っぱい唾液が流れ出てくるのである。

脳をまんまと騙し、瞬時に中枢異常を来すこの液体は、飲み物ではなく麻薬として分類する方が適切であることは言うまでも無かろう。その時の感覚を回想しながら文章にまとめているだけで、口の中には唾液による防御態勢が出来上がるのだから。

というわけで、サンガリアさん商品化してくれませんかねぇ(笑)



本文とは関係ないが、レモンは意外と良く燃える。
レモンの皮を炎の近くで搾ると、飛び出してくる油分がチリチリと音を立てて燃えるのだ。


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