多事毒論(2004年3月分)


突然の便意
2004年3月30日(火曜日) 雨

お食事中の方は,ぜひそのまま食べながら読まれたい。

突然の便意(大きい方)で大ピンチになったというような記憶は,わたしにはほとんどない。わたしの便意は通常,どうやら溜まってきているようだと感じる予告信号から始まるものなので,便所へ行くのは気が向いたときにノンビリと,でよいのだ。すぐに行けないときは,一日ぐらいの先送りなら何とかなるし,逆に便所のなさそうな場所へ行く予定があるときには,前もって出しておくという計画的な排出もできる。さすがにあまり放っておくと,初めはひたひたと打ち寄せていた小波も,次第には襲いくる津波へと変貌していくが,普通はそうなる前に便所があるから,いますぐ,この場で,どうしても,といった急性的な形態の便意によって,まさに容易ならざる事態を経験をすることはまずないのである。

自分がこうなので,通常の健康状態のときでもウンコを我慢できない人がいることを知ったときは,ちょっとしたカルチャーショックを感じた。下痢といった原因で急激な便意を催すことがあるのは分かるが,わたしにしてみれば,そんなケースは,たとえば大地震のような希にしか発生しない天災に準ずるものであって,平素の生活では完全に忘れられていることだから,普段から急な便意の発生を考慮に入れて行動している人も存在するとは思わなかったのだ。このことは,一緒に旅行へ行った連れが,乗車する予定の列車に便所が備わっていないことを妙に気にしていたことから知った。さほど長時間の乗車ではなかったにも関わらず,その連れは,突然の便意が襲ってくることがあり得ると,大まじめに言って困った顔をする。

こういう人は,わりと多くいるんだろうか。突然の便意で便所に駆け込んだり,悶えたりしている人を見ることはあまりないから,そこまで激しく急性な便意はさほど多くないのだろう。でも,駅などの便所で,大便用の個室の扉がすべて閉じていていることはよく見られるし,順番待ちの列ができていることもたまにあるから,悶えるほどではないにしても,家まで待てない程度に急性な便意を感じる人はそれなりに多いのかも知れない。わたしだったら,電車に乗っているときなどに便意を催しても,より落ち着く家の便所まで我慢すればよいことだから,敢えて駅の便所のような騒々しいところでやろうとは思わない。せいぜい,とりあえず小便だけして全体的な圧力を下げておくぐらいだ。

文学の遠吠え」というサイトに,「車掌と便意」というエッセイがある。車掌さんが,乗務中に便意を感じた場合はどうするか,という話だ。実は,車掌さんの便意については昔から少し不思議に思っていた。人間,誰にでも「予想外」はあるが,便所がすぐ近くにない職場で,しかも持ち場を離れることは許されない仕事をしている人は,どうしているんだろうかと・・・。



さくら
2004年3月28日(日曜日) はれ

天気が良かったので,お散歩がてらお花見に。桜が咲き出すとなぜか馬鹿みたいにドンチャン騒ぎを始める趣味はないし,ドンチャン騒ぎが行われている現場の近く側を通るのも嫌いなので,敢えてそういうことが行われていない静かなスポットへ行く。すでに満開状態の木もあって快晴の青空との調和がなかなか綺麗だったが,全体的にはまだ蕾だけっていう木が多く,ちょっと早すぎたかも。

しかし,桜の木を見ると,見たものを話せ〜って歌いたくなるのは,やっぱり病気だろうか。



The Lord of the Rings/王の帰還
2004年3月26日(金曜日) くもり

遅ればせながらって感じだけれど,「The Lord of the Rings/王の帰還」を観る。

原作を読んでいないためか,話の内容については「そもそも彼らはどういう原因で戦ってるんだ?」みたいな疑問を持つほどのレベルでしか理解できなかったが,映像の出来映えは前作の「二つの塔」と同様,そんな些細なことはどうでもよくなるほどの素晴らしさだった。これまで,ファンタジーな世界を舞台とした映画においては,いかにも作り物と分かる安物っぽさは宿命であったと思うし,CGでかなりそれらしく作れるようになってからも,CG特有の微妙な不自然さが,かえって変なニセモノ臭さを増幅させていたものだが,そうした違和感をほとんど感じさせずに,少なくとも我々の住む世界ではあり得ないことばかりが起きる映像を作ってしまったのだから,大したものだと思う。観る人はもう観ているだろうけれど,これからって人はぜひ劇場で。

かなりの部分がCGで作られているそうだが,その使い方がだいぶん板に付いてきたいまだからこそきちんと作れた映画で,もし制作があと3年ほど早かったなら,かなりチープな仕上がりになっていたのではないかと思う。そのころにしたためた映画感想文でも何度か書いたとおり,当時は中身に乏しい映画ほど,必然とも思えないようなCGが「すごいでしょ」と言わんばかりにちりばめられていたりして,まあ確かにすごいことは認めるとしても,むしろ最新の映像技術とやらに魅了された制作者のオナニーを見せられているというような印象を持っていた。言い換えれば,本来は手段であるはずのCGが目的になっていた嫌いがあったが,CG臭さを感じさせないようにする品質のさらなる向上と合わせて,ようやく手段として使われるようになったんだろう。

以下,ちょいとネタばれ。感性がややズレていると言われそうだが,王の帰還で個人的にもっとも感動したのが,烽火(のろし)の多段中継をやるシーンである。恐らく,生涯に一度あるかどうかも分からない点火作業を行うためだけに,冠雪の認められる山の頂で誰かがスタンバイしているというのは,なんだか非常に涙ぐましい感じがするのだ。まあ,烽火場にしても,マイクロを張るための無線中継所にしても,見通し外の長距離通信には,いつの世の中でも苦労が伴うようで・・・。



続・シェアウェア
2004年3月25日(木曜日) くもり/小雨

シェアウェアといえば,ずっと昔に見つけた SHIFT7 というものが妙に印象に残っていたりする。

なぜかというと,こいつは実行しても即座に終了するだけの「何もしない」ソフトで,金額は1円。だいたい想像がつくとおり,SHIFT7 は「1円の銀行振込なんて笑えるでしょ」というネタで作られたものなのだが,こいつの面白いところは,単にネタだけで終わるのではなく,一応ちゃんとした使い道が示されているところだ。それは,SHIFT7 はアポストロフィ一文字である「'.com」というファイル名になっており(SHIFT7 の意味に気づかない人はキーボードを見ようね),バッチファイルでコメントを書くときに,REM の代わりに ' を使えば全体の見通しが良くなるというもの。確かにそうだが・・・実際に1円の送金をした人はいるのかなあ?

日本円を支払うタイプのシェアウェアでもっとも安いのは1円ということになるけれど,もっとも高額なシェアウェアはいくらなんだろう。わたしが知るなかでいちばん高いのは Multi-Media Wingman というもので,お値段はなんと 980,000円。数千円ならともかく,万単位になってくると,もうシェアウェアって感じがしないのだが・・・。



シェアウェア
2004年3月23日(火曜日) くもり/小雨

DOS 〜 Windows 3.1 の時代にはそれなりに使われていたシェアウェアってやつも,最近は数が減ってきた気がする。その要因としてまず考えられるのは,Windows のような OS の使い勝手が良くなり,かつ付属されている機能が充実してきた結果,昔なら必需品として使われていたシェアウェアの価値が,相対的に下がってしまったことだろう。一昔前なら,パソコンをタダの箱から便利な道具に昇格させるためには,多くのフリーウェアやシェアウェアが不可欠であった。なかでもシェアウェアには,誰もが必要とするような機能を提供するユーティリティが多かったが,OS だけで同じことができるようになれば,それまで使われていたソフトの需要はぐんと減ることになる。たとえば「ファイラ」なんかは,Windows のエクスプローラの出現によって,ほとんど使われなくなったものの一つではないだろうか。

もう一つに,何でもかんでもオープンソースという時代背景もあってか,シェアウェアという考え方自体がますます受け入れられにくくなってきたことがあるだろう。それは,使う側だけでなく,ちょっと昔ならシェアウェアになっていただろうと思われるような高い完成度のソフトウェアでも,いまではフリーウェアとして出てきていることから,作る側の意識にもフリー化の意識があるのだろう。そして,この流れがシェアウェアをますます淘汰することになっていったと言えるのではないだろうか。フリーウェアで良いものがあるとなれば,わざわざカネのかかるシェアウェアを使う必要などないと考えるのが人情だ。もちろん,シェアウェアが完全になくなろうとしているわけではないが,現在でも成功しているのは,昔からの根強い人気があるとか,ほかにはない特別な機能があるといったものだけだろう。

いまでもあるのかも知れないが,数百円程度のカスみたいなシェアウェアが,やたらと作られていたことがあった。多くはちょっとした小物系で,案内文を読めばプログラミングをちょろっと囓った人が,とりあえず何か一作できから公開してみました,という程度のものだったりする。そうしたものを公開すること自体はよいのだが,数百円といえども,そんなものでカネを取ろうとすることには,個人的にはあまり感心しなかった。当時は,シェアウェアビジネスで成功した人が雑誌なんかで取り上げられていたこともあったから,ここは一つシェアウェアで稼いでやろう,みたいな構想を抱いていた人が多かったんだろうと思うが,何百円のシェアウェアで,実際に稼げた人はどれほどいるのだろう。逆に,こういうのがシェアウェア全体に対するイメージを損ねたんじゃないかと思っていたりする。

「何百円じゃどうせ使えないんでしょ」という印象が広まれば,同じ何百円という値付けで,素晴らしいシェアウェアを作っていた人にとってはいい迷惑だったんじゃないだろかと。



衿歙渮ってなんだ?
2004年3月21日(日曜日) 晴れ

「衿歙渮」という意味不明な文字列を Google で検索すると 51件もヒットするのだが,これがなんのことかお分かりだろうか。検索結果のサマリを見ていくと「機動戦士」とか「SEED」といった言葉が「衿歙渮」の前後に出てきているから,勘の良い人なら気づくだろうが,これは「ガンダム」のこと。では,なぜ「ガンダム」が「衿歙渮」になるのかというと,「衿歙渮」は半角カタカナが文字化けしたものなのだ。Shift JIS の半角カタカナで「ガンダム」と書くと,0xb6 0xde 0xdd 0xc0 0xde 0xd1 というバイト列になるが,これを誤って日本語 EUC として解釈すると「0xb6de = 衿/0xddc0 = 歙/0xded1= 渮」となり,「衿歙渮」に化けるのである。

化けるのは,Shift JIS コードの日本語文字列を EUC コードに変換する際に,半角カタカナの処理に難のある実装が多いためだろうか。一昔前ならこういうことを恐れて,インターネットに流す文書では半角カタカナを使ってはいかん,という不文律あったけれど,いまでは,大多数の人がそんなことは知らないか,知っていても気にせずに使っているだろう。とくに 2ちゃんねるなんか半角カタカナだらけで,同じ原理で化かした 2ちゃんねる用語を Google で検索してすればたくさん出てくる。たとえば,「オマエモナー」を化かした「杵貫徹」では,241件のヒットだ。

まあ,敢えて誤変換した漢字を隠語として使う文化のある2ちゃんねるであっても,さすがに「杵貫徹」みたいな文字化けは流行らないだろう。たまたま,妙にセンスのある文字に化けたらもっと使われるかも知れないが,そんなに都合の良いものはあるのかな。



整骨院
2004年3月19日(金曜日) くもり/晴れ

首から背中にかけての違和感が取れないので,近所の整骨院へ行ってみた。こういう症状には,医師よりも柔道整復師の方が上手く対処してくれそうだ。事情を説明してから診てもらうと,痛いところを筋肉で庇おうとするから凝るんだろうと言われ,主にマッサージで治療していくという方針が決められる。最初にやられた低周波治療器での治療は,まさしく感電しているような感じで,どちらかといえば不愉快な感じであったが,手によるマッサージは,少々痛いが実に気持ちが良かった。これから,しばらくここに通うことにしよう。

ちなみに「整骨院」も「接骨院」も「ほねつぎ」もすべて同じものだが,「整骨院」以外は,なんだか非常に痛そうなイメージがある。子供のころ,近所にあった「ほねつぎ」の看板を見るたびにこう思ったのだ。骨を接ぐためには,前提としてどこかの骨が外れている,すなわち骨折でもしている必要があるわけだが・・・。それを繋ぐなんて作業はさぞかし痛いそうだし,そもそも骨折しているような重傷者が,どうやってここに辿り着けるんだろうかと。いまだにそのイメージが捨てきれず,「骨を接ぐ」という字面からは,骨を無理やりバキバキっとやられたりして,つい,激痛のあまり患者が悲鳴を上げているような光景を想像してしまう。

初めて行った整骨院は,雰囲気が良く気持ちの良いところだったけれど。



SH-4
2004年3月18日(木曜日) くもり/雨

レネサスのマイコンである SH-4 のソフトを組むことになったんだが,思っていたよりも複雑で頭が痛い。SH も 4 となれば,使うかどうかはともかく MMU みたいなものが載っていたりするので,制御用のマイコンというよりも,そこそこまともなプロセッサとして部類されるべきものであろう。何かの機器に内蔵させて使うという意味では,これも一種の組み込み系には違いないが,もっとしょぼいワンチップマイコンでやるような泥臭い種類の組み込みとは勝手がやや違うもので,そういう泥臭い制御をやろうとしているから違和感があるのかも。幸い Linux を SH に移植したものがあり,参考になる資料やコードは豊富にあるからなんとかなりそうだけども。

先月やられた追突事故の後遺障害だとしか考えられないが,凝りと筋肉痛を合わせたような違和感が,首のほか肩から背中にかけて広がってきている。事故から半日ほど遅れて現れた首の急性的な痛みはすぐに回復していき,一週間ほどでかなり良くなったった気がしたので心配するほどのことではないと思っていたところだったが,そのあとからこういう慢性的な症状が出だしたから,ちょっと甘かったかなあ。この調子では,しばらくお付き合いしなきゃいけないかも。



Q&A の使い勝手
2004年3月16日(火曜日) はれ

3月7日の雑記で,「WinXP (SP1) な環境で無線LANを使う場合,IEEE802.1x の設定が有効になっていると切断されまくるが,BUFFALO のサイトを見てもそんなことは書いていない」みたいなことを述べたところ,実は書いてある,というご指摘をいただいた。わたしの書いたことをメーカの方に知らせていただいたそうで,すると「このように案内はあるが,見つけにくいので改良したい」との回答があったという。確かに,かかる文書では設定方法が的確に述べられているから,これはこれでいいと思う。問題はむしろ,原因のよく分からないトラブルに遭遇したときでも,目的の文書に辿り着けるかどうかである。辿り着けなければ,どんなに素晴らしい資料があったとしても,無用の長物なのだから。

情報の見つけやすさでは,各メーカとも,たいへん苦労していると思う。先の BUFFALO のサイトでも文書の分類方法や検索機能でそれなりの努力していることはよく分かる。ところが,整理のしすぎや親切すぎる検索機能が,かえって目的の資料を見つけにくくしていると感じることもよくある。分類が異様に細かかったり,階層が深すぎて迷子になるような Q&A なんか枚挙に遑がない。検索機能を使おうにも,たとえば「原因不明の切断が起きる」みたいな不具合では,そもそもどんなキーワードで検索すればよいのかで悩む。漠然としたキーワードで目的の資料が引っかかればラッキーだが,機械検索には限界があることを知らないとしか思えない Q&A もたまにある。たとえば,検索以外に情報を引き出す方法がないようなのとか。

分類や検索に凝るのもいいけれど,それよりもあると非常に助かると感じるのが「未整理」の見出し一覧だ。多少は分類されていてもいいが,要は「変な絞り込み」を勝手にやらないやつである。これの何が良いかというと,これさえあれば,最後の手段として極めて有効な「目視検索」が出来ること。膨大な資料があるときはちょっと大変だけれど,見出しさえしっかりしていれば,検索機能と戯れているよりも,よほど速く目的の資料を見つけられたりする。人間のアナログ検索機能をナメてはいけない,わたしはそう思うのだが,やっぱり Q&A サイトを作るとなると,電脳的な方法にばかり目がいって,アナログな方法は見落とされがちになるんですかねえ。



座り込み
2004年3月14日(日曜日) はれ

何かに抗議する方法の一つに,「座り込み」というものがある。実際にはただ座っているだけでなく,抗議のメッセージを書いた横断幕を背後に掲げていたりするが,基本は役所なんかの建物の前でしつこく座り込んで抗議する,あれのことである。ところで,あの「座り込み」では,抗議される側による強制的な排除行為が欠かせないのだという。単に座っているだけでは,第三者の目に触れたとしても「何かやってるな」と思われる程度で,強いメッセージ性があるとは言い難いからだ。やっぱり,無理やり排除されているようなシーンがニュースで流れたりして,世間に「無抵抗な市民を実力で排除してまで,問題に向き合わぬ役所」みたいな印象を与えてこそ,インパクトのある抗議になるのだという。

座り込まれる側も心得たもので,騒ぎを大きくすると抗議の効果が増すことを知っているから,強制的な排除はあまりやらなくなってきているそうだ。むしろ,座り込みには「やりたければ好きなだけそうしてれば,うちはぜんぜん困らんよ」という感じに,冷たくあしらうのがもっとも効果的な嫌がらせであり,なにもわざわざ強制排除をやって,相手が望んでいるような「インパクトのある場面作り」に協力してやることはない。特に役所なら,世間体が問題になることもないから放っておけばよいというわけである。言われてみれば,立ち退き交渉が進まず,強制代執行に及んだようなケースではときどきあるけれど,役所の前で座り込んでいる市民団体が,無理やり排除されていくような映像をニュースで見ることはあまりない気がする。

抗議の相手にダメージを与えられるわけでもなければ,世間に注目もされるわけでもない――となると,やっぱりやる気がなくなるんでしょうな。座り込みという抗議方法は,いまはあまり流行らないのかも?



物損
2004年3月12日(金曜日) くもり/雨

また新車を買ってしまったり・・・。欲しいと思って自発的に買ったんだったらウキウキもするのだが,まだ何年か乗る予定だった車が,一方的に突っ込まれて全損となったことにより買う羽目になったのだから何ら嬉しいわけでもない。買ったのは,ほかにこれといって気に入る車種もなかったため,同車種のマイナーチェンジ版となった(色だけは違うのにしたが)。事故車の方も修理不能ではなかったので治して乗ることも考えたが,ケツが平行四辺形に歪んで,屋根までいっちゃってたことからいまいち気が進まず,気に入っていたが,やむなく手放すことにした次第だ。

保険屋(あいおい損保)が最初に提示した物損の賠償額は102万円ほどで,これがどのぐらいかというと,RED BOOK 掲載の金額よりもやや安い程度。車体価格185万円ぐらいの車が2年ちょいでこれだから安い感じは否めないが,中古車の市場価格が実際にそんなもんなので,現実とそう乖離している金額ではない。そこでほかで取ることにし,最終的に取った額は120万円強+代車1ヶ月。当方からの要求は意外とすんなり通ったので,いま思えばもう少し欲張っておけば良かった気もするが,始めに法外な請求をやって,かえってヘソを曲げられても困るから,まあ妥当なところだろうか。人身の方はまだ解決していないが,物損に関しては,あいおい損保の対応にあまり悪い印象は感じなかった。

もっともこれでは新車が買えるわけではないから,あとは,まだ完治しない身体がいくら稼ぐかだ。相手からは慰謝料が支払われるほか,自分の保険に付帯されている搭乗者傷害補償からもいくらか出る予定だが,最終的にいくらになるのかはよくわからん。まあ,新車を買ったことで多少の足が出ることは構わないのだ。あと1年弱で車検だったから,それがまた3年伸びたことで,少なくとも何万円かの節約にはなるわけだし,事故車の方では2年ちょっとで3万5千キロぐらい走っているから,その分の元は取れているだろうと思えるぐらいの収支にはなるだろう(希望的観測?)。



ジャンヌ・ダルク
2004年3月11日(木曜日) くもり/晴れ/強風

昨日NHKで放送された「その時歴史が動いた」「ジャンヌ・ダルク/戦いはわが愛のあかし〜裁判記録が明かす聖女の真実〜」の再現映像で,ジャンヌ役として出演していた女の子に萌え〜。それも,愛らしい娘が剣を取って凛々しく敵国に立ち向かうばかりでなく,後に囚われの身となって敵兵から陵辱までされるのだから,シチュエーション的にも満点だと言えよう。それの何がどう満点なんだと聞かれると難しいんだが,決して強くはないのに崇高な理想を抱いて果敢に戦ってきた者が,志半ばで敵の手に落ち,無惨にもねじ伏せられ穢されてゆく不条理――これには,どちらかといえばこうした陵虐を行う側の視点で見ればだが,二つの味わいがあるのだ。

その一つに,拷問か陵辱かといった手段はともかくとして,本来は自分よりも強い存在を一方的に脆弱化させ,結果,自らが優位に立つことで得られる強力な征服感がある。より具体的に言えば,しもと を片手に,「イッヒッヒッ……戦場で采配を振っていたときの勢いはどうしたんだね,お嬢ちゃん?」などと言って,無抵抗の聖女とやらをいびる獄吏の心理というんだろうか。もちろん,早々に信念を曲げたりして慈悲を請うようでは面白くない。牢檻の冷たい床に倒れ伏せようとも,唾を吐きかけるぐらいの強気でなければ。だが,当然ながらそんな些細が何かの効果を発揮するはずもなく,とうとう征服が完了したとき,第二の味わい,すなわち,当人の屈辱を無念を想像すればするほどに深みを増すカタルシスが得られるのである。

脱線した。なんかエロマンガの解説みたいなものを書いてしまったが,「その時歴史が動いた」で使われた映像は,何らかの映画の一部であるようだったので調べたところ,かかる映像は「Joan of Arc」っていう,カナダのテレビ映画からの引用であった。主演の女の子は,Leelee Sobiesky というらしく,撮影当時の写真を見るとけっこうかわいい。1998年には,Deep Impact の「Sarah 役」でも出ていたみたいだが,残念ながら大人の女性になるとイマイチですなあ。ちなみに,ジャンヌ・ダルク映画といえば1999年に公開されたミラ・ジョヴォヴィッチ主演のジャンヌ・ダルクが有名であるが,こっちは萌えなかった。凛々しいとは思ったが,ミラ・ジョヴォヴィッチでは,初々しさと幼さが足りずにダメだった。



輸入再開はまだ?
2004年3月9日(火曜日) 晴れ

ものは試しと吉野家の豚丼を食ってみたんだが,イマイチだった。牛丼の代替品として出てきたためか,豚肉っぽさ抑えた巧妙な味付けは評価したいが,牛丼と比べると甘辛い感じで味がかなり濃く,しつこい感じである。牛丼といえば忙しいときなどに続くこともあるので,比較的あっさりとした飽きない味付けの方が好ましいのだが。豚肉で下手に牛丼もどきを作るぐらいなら,素直に「豚生姜焼き丼」なんかを作った方が良かったんじゃないかと思われ,豚肉を豚肉らしく使っているという点では,松屋の定食の方がまともだと思った。

しかし,米国産牛肉の供給がなくなって牛丼とか焼き肉が壊滅状態になったことを,異常だと感じる人は少数派なんだろうかねえ。BSE が発生したんだから禁輸は当然であり,またそれによって食に支障が生じることもやむを得ないことだと,みんな納得しているんだろうか。禁輸になったあとも,在庫の牛肉で作られた牛丼を多くの人が普通に食べていたし,特需すら認められた。でも,BSE 感染牛が見つかって危険と言うなら,それ以前に生産された在庫も安全であるとは限らない。日本で BSE 感染牛が見つかったときには,この理屈によって政府による在庫の買い上げと廃棄が行われたわけだが,米国産の在庫は大丈夫というのなら,あの騒ぎは一体なんだったんだろうか。

在庫を出すわけには行かなかった当時の事情は分かるし,「ちゃんとやってますよ」という姿勢を見せるパフォーマンスも必要だから,あれは無意味な事業であったと誹るつもりはない。しかし,少なくとも食べると危険だからという,安全上の理由で行われたわけではないだろう。日本で全頭検査を始めてみれば BSE 感染牛が年に何頭か認められるわけで,BSE はあるときから突如として出始めるものではないから,全頭検査実施以前にも同じぐらいのペースで感染牛が出ていて,市場に流通していたこともあると推測するのが自然だ。が,BSE 全頭検査が実施されるよりも前の国産牛を食って死んだというヤツも,在庫の米国産牛肉で作った牛丼を食って死んだというヤツはいない。

実際のところ,BSE の全頭検査によって防げであろう人的リスクはネグれる程度のものだというから,「全頭検査は非科学的」という米国の言い分は,間違いではない。いつまでも輸入が再開されないのは,それで安全性が確保できるかどうかでモメているからではなく,日本政府の立場的な問題で受け入れられないからであることは周知のとおりである。それだけに,牛丼が消えたことには異常さを感じるのだ。そんな,意味があるとは思えない駆け引きをだらだらとやり続け,外食産業から牛肉が消えてしまうという,多大な影響が世の中に生じているというのに。



持ち込みサポート
2004年3月8日(月曜日) 晴れ

わたしは某ISPでサポート電話の応対もやっていたりするのだが,ISPのサポートにやってくるトラブルの内容は,実に千差万別だ。そもそもお客さまの環境からしてバラバラだから,Windows ばかりでなく,MacOS や PDA を使っている人の質問にも答えなければならないし,接続の方法も,ルータやモデムといった接続用の機器の組み合わせも様々だ。割合から言えば,マニュアル化された対応で解決できる内容の大半なのだけれど,イレギュラなものもゼロではない。そしてそれが,ISPサービスの利用と関係のある事柄なら,「それはサポート範囲外」などと言いづらいのが,ISPのサポートならではの厳しさじゃないかと思う。

基本的には何でもアリ,といっても実際には分からないこともあるので,たとえば「この機種固有の質問はメーカのサポートへ」と,より適切な窓口へご案内することもある。お客さまの立場からすれば「たらい回し」と受け取られることもあるだろうが,ISPやれる最大公約数的なサポートの範囲を超える場合にはやむを得ないことだし,むしろそれが適切だと考える。しかし,このあと色んなサポート窓口を一巡りしてから,またウチに舞い戻ってくる方もときどきいるのだ。パソコンメーカのサポートに聞いても問題はないと言われ,NTTに聞いてもまともな回答は帰ってない。そして結局,「問題はつまるところインターネットに繋がらないことなのだから,理由はともあれISPで聞こう」と判断され,戻って来られるようだ。

ここまでやっても解決に至らないトラブルは,さらに電話で対応してみようという気にはまずなれない。理由は,あまりにも原因不明過ぎたり,お客さまの忍耐の限界に来ていたりと様々だが,ウチの場合は諸般の事情から「出張サポート」をやっていないので,次善策として始めたのが「持ち込みなら無料で何でもやりますサポート」だ。まあ,大手だと「無料出張セットアップ」を標準でやっているところもあるから,客に持ち込みさせるなんてサービスが悪すぎると言われれば確かにその通りなんだが,もともと電話での解決は見込めず,しかもマニュアル通りにはいかないようなトラブルをどうにかするための体制だから,そこらの下手な出張よりは強力なものだとは思っている。

実際に持ち込まれたトラブルのなかで,もっとも気の毒に思ったのは,「出張セットアップで来た人にパソコンを壊された」というもの。フレッツ・ADSLを使い始めるにあたり,NTTの関連業者に出張セットアップを頼んだらしいのだが,設定をむちゃくちゃにした挙げ句「ダメですね」と言って帰っていったらしい。見れば,ネットワーク絡みの設定がおかしくなっていて,これを治したら無事に接続できたとのこと。このほかには,パソコン自体が安定しないというので,分解して調べたらCPUファンが回っていなかったのとか,落雷か何かで内蔵のモデムがぶっ飛んでいたのとか,すべて覚えているわけではないけれど,これで色んな不具合を治してきた気がする。

最近はこういうことも滅多にないから言えるのだが――「これはサポートの延長でやっているだけだからお金はいただいていない」と説明して料金の受け取りを拒否すると,菓子折などをいただくこともあった。そうしたお気持ちまで断っていては角が立つので,こういうときはお礼を述べて頂戴するのだが。内心,非常に申し訳ないと恐縮しながら受け取ったことがあるのも事実で,ハードウェア故障のように,実際にいじらないと解決できないこともあるにはあるが,事実を包み隠さず明かせば,もう電話でやるのは疲れたから,すみませんがご足労いただけないでしょうか,みたいなのもあったような・・・。



WinXP SP1 + 無線LAN
2004年3月7日(日曜日) 晴れ

無線LANを導入した実家から,アクセスポイントのすぐ近くで利用しているにもかかわらず,数分ごとに切断と再接続を繰り返して使い物にならないという不具合の報告があった。クライアントは Windows XP SP1 が動いている VAIO のノートパソコンで,結論から言うと,ワイヤレスネットワークの設定で,「IEEE802.1x」によるユーザ認証を行うようになっていたことが原因だと判明。IEEE802.1x とは,LANにおいてユーザ認証を行う方法を定めた規格だそうで,Windows XP の Service Pack 1 から使えるようになったらしいのだが,無線LANアクセスポイントの多くは認証には対応していないため,この機能が有効になっていると,認証に失敗して切断されるという問題が起きるようだ。

詳細については「ブロードバンドトラブル事例集」の「事例8」で解説されているが,不思議なのは,この不具合について述べられているサイトが,これ以外にはほとんどないことだ。あまりにも見にくかったのできちんと調べたわけではないが,メーカ(BUFFALO)のサポートページにおいても,これに関する情報は見つけられなかった。実際に実家のPCを設定した人によると,IEEE802.1x の設定はデフォルトで有効になっていたそうで,Windows XP + SP1 で無線LANを使おうとする人なんかいくらでもいるだろうから,そうだとすればかなり FAQ なトラブルだと思うのだが,今回が特殊だったのか。もしかしたら困っている人もいるかも知れないから,ここでメモっておくことにする。



ルータと事故その後
2004年3月6日(土曜日) 晴れ/くもり

実家の親父が,無線LANを使って複数のPCをインターネットに繋げたくなったんだが,何を用意したらいいのかさっぱり分からん,と言い出したので,こちらで適当なルータを購入し,ケーブルの接続方法も丁寧に教えてやり,あとは説明書どおりに設定するだけでよいようにしておいたのだが,案の定,「繋がらん」という電話がかかってくる。こんなときは出向いた方が手っ取り早いし,その方が精神的にも楽なのだが,さすがにそんな用事で大阪まで行く気にはなれない。しょうがないから,しばらく電話でやったんだけども,結局らちがあかず,「バイト代は出させるから」といって,関西に住む仲間に行ってもらう羽目になってしまった。忙しいところ,すんませんでしたねえ。

ところで,日曜日に追突された車を,事故後初めてじっくりと観察してきた。左後部に,やや斜め方向から突っ込まれたため,後ろからよく見ると車体後部が全体的に右へ寄っていて,大げさに言えば平行四辺形になってしまっている。そのうえ,潰れされて行き場を失ったものは車体の上方向へ逃げたらしく,屋根も微妙に浮き上がっていた。普通に考えれば,後ろからオフセットで突っ込まれたらそのまま後部座席のドアぐらいまで潰れてきそうだけれど,人が乗っているところ守るために,わざとどうでもいいところを歪ませて,衝撃を吸収する設計になっているんだろうと思う。実際には,左後部座席のドアは位置が少しずれていたけれど,強くやれば開閉可能だったから,なかなかのものである。当然,保険会社も全損と認めたが・・金額はこれからである。

ちなみに,追突されたのは,実家から頼まれたルータを買うために出かけた帰り。恨むぞくそ。



2月の雑記
2004年3月2日(火曜日) 晴れ

2月の雑記は29日しか書いておらず,あまりに寂しいので14日の分として「ちくわぶの食べ方」を追加した。実際に料理を作ったのもその日だし,写真に写ってる挽肉の賞味期限も「2月16日」なもんで・・

逆ギレ電話をかけてきていた事故相手は態度を一変し,今日は詫びの電話があった。ご迷惑をおかけしました,お見舞い申し上げます――と,いまさら言われてもあまり嬉しくないのだが,何もないよりはマシというところか。まあ,根はそんなに悪いヤツではなさそうなので,わたしもキレないで対応しているんだけれど,もうちょっとモノの言い方を考慮した方が良いのでは? という感じである。改めて話を聞くと,やっぱり人身事故扱いになり,免許がなくなってしまうことが辛いのだという。気持ちは分かるので,かわいそうだとは思うけれど,人身事故扱いでなければ保険会社から医療費がもらえない。免許がなくなって,ざま見ろってわけじゃないんだがなあ・・。



続・かまほられたー
2004年3月1日(月曜日) 雨/くもり

昨日やられた追突事故の続きである。衝突の際に身体がシートに叩き付けられたためか,事故直後は背中に軽い痛みが認められたのだが,家に帰ってからしばらくすると,首にも違和感が現れ始め,朝起きたらさらに酷くなっていた。痛いというほどではないが,首全体が筋肉痛になったような感じで,気持ちが悪いのだ。今朝,近くの病院へ行って検査してもらうと,案の定だけれど「むちうち」だと言われ,警察提出用に書いてもらった診断書によると,「頚椎捻挫で3ヶ月の加療通院が必要となる見込み」とのことであった。とりあえず湿布薬をもらって,それを首に巻き付けている。

で,相手の方はというと,今日になってから再び「本当にケガしてんのか」という逆ギレ電話があり,見舞いの言葉の一つでもあってから苦言を述べるのならまだ分かるが,そうではなく「免許がなくなると困る」から始まり,挙げ句の果てには「演技だろう」とまで言い出す始末だから,もうどうにもならない馬鹿野郎と言う以外にない。とりあえず話を聞いてやると,若いということもあってか,処分を受けることに対して「なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだ」という意識があり,このような言葉が出てくるんだろうという感じだが,「なんでこんな目に」はこっちの台詞だし,当方,ケガをしたのは厳然たる事実なので,失礼にもほどがある。まあ説教はくれてやったが,ブチキレないで,こういうの対応しているわたしは神様だよ,ほんとに。

保険会社からも電話があって,こちらは当然ながら,ひとまずは丁寧(相手が保険に入ってたのが幸い)。代車については,特にこだわりはなかったので保険会社の言うとおりトヨタレンタリースから 1300cc の bB を借りてもらった。ついでに,本人から筋違いな電話がかかってくるので非常に迷惑している,御社の方からよく言っておいてくれと文句も言っておく。医療費ほかはいいとして,これからモメそうなのが車の件である。結果がどうなるかは,また今後。



突撃実験室