鈴木さん、みなさん こんばんは。 鈴木さんのほうから疑問点としての質問を受け、わかる範囲で 書いてみます。 お読みの皆さんからの知識と思考の補助を戴けますと幸いです。 引用をあらかじめ失礼致します。 > (3)スナバ回路付、電源部パスコン400uF時の回路図 > http://homebrew2004.hp.infoseek.co.jp/PassCon400u-WithSnaba-Cir.png > > この図ですが、ソレノイドの両端に既にダイオードが抱かせて > あり、さらに並列にCRが接続されています。経験的には、この > ような回路は初めて見たのですが、スナバ回路そのものの挙動を > 検証するのであればダイオードは不要ではないでしょうか? スナバ回路は私自身知らなかった存在で、今回ここのMLで教わったものです。 試しにスナバ回路だけでSPICEのsimulationして、RCのパラメータを いくつか振って試した結果、高い電圧波形の過渡現象を調子良く押さえられ なかったため、オーソドックスなダイオードとスナバ回路を並列させた 回路で試すことにしました。 トラ技のどれかの号で、パワーFETの出力に同じ方向のダイオードと、 スナバ回路を両方使用している回路例がありました。 私自身は、スナバ回路について突き詰めた実験や考察をした経験も無く、 それ以上はわかりません。 > (4)スナバ回路付、電源部パスコン400uF時の電圧変動 > http://homebrew2004.hp.infoseek.co.jp/PassCon400u-WithSnaba.png > > このグラフの赤いラインですが、ある所から電源電圧5Vを下回り > なだらかに右下がりになっています。これは十分な時間が経過した > 場合、電源電圧を下回る状態で平衡するのでしょうか? > もし、そのようなラインであれば直感的におかしいと思われます。 simulation実行時間が短いため、その時間区間だけを見ているためと思います。 時間軸をもっと長くとると、赤のプローブ点も、5Vのレベルで、 緑のプローブと電圧が一致して収束すると予想します。 > 他にも色々あるのですが、シミュレーションの結果について > 実際の現象と一致するのかどうか、理論や経験的な裏付け > によって理解されることが重要かと思います。 実験的には、ダイオードによる過渡電圧のクリッピングの simulation波形は、オシロスコープの実測波形と良く似て いるのを確認しています。 スナバ回路付は実測していません。 理論解析による検証は、先のメールで書いたように、LRC回路が 閉回路で無くなってしまうために、過渡解析で学ぶような微分 方程式が成立せず、(私の知識レベルでは)解けないということ で困っています。 > 例えば、(4)のグラフで緑と赤い線の電圧差はどこから生じる > のか?、何故70μsec付近を境にしてカーブの傾きが変化する > のか?とか、SWの開閉現象のようにt=0でi=0となるような本来 > 微分不可能な現象をシミュレーションで取り扱えるのか? SWのONの瞬間からのSimulation結果、理論式の結果、実測結果 のそれぞれがうまく一致するのは確認していますが、 SWのOFFの瞬間からのSimulation結果が正しいのかどうかは、 今のところ実測波形と比較するしか方法が無い状態です。 (あくまで私のAHOな頭のレベルでの話しです) 前述のようにスナバ回路無しのダイオードを使った場合の SimulationN波形とオシロ実測波形は非常に良く似ています。 以上、私としても回路式を立てたい、という電気の理論としての 突き詰めの願望をもっていますが、現状はやれていません。 ちなみに非線形素子であるダイオードに関して得ている 微分抵抗の情報がありますので補足してメモ書きしときます。 考察のヒントになれば幸いです。 [引用メモ] LED->ダイオードと読み替えてください。 抵抗でない。抵抗値は電圧と電流が比例するときその比例定数。 LEDは、たとえば 3.20Vで0.3mA、3.27Vで3mA、3.34Vで30mAと いうように、ぜんぜん比例でないので V÷I を抵抗といえない。 あえていうなら「見かけの抵抗値」「形式的な値」ということになる。 こう書くと「電力を消費するのに抵抗がないのか」とつめよられそうだが、 そもそも電力の定義は P = IE なので抵抗は出てこない。 電圧(または電流)が変化しない安定な直流の場合、V/I も一定なので LEDでも形式的な R はもとまり P = I^2 R = E^2 / R もつかえるがそんなように考える意味がない。 微分抵抗てのは電流の微小変化に対する電圧の微小変化の割合を言う。 ぐにゃっと曲がった特性図の接線の傾き。 3.270Vで3mA、3.274Vで3.5mAだったとすれば、0.004V÷0.5mA = 8Ω てなことになる。 動作抵抗てのは直流に微弱な交流を重畳して測る。 微分抵抗と同じようなものだが振幅や周波数がかかわる点がちがう。 高周波になると誤差が大きくなるので実測しなきゃならない。 PN接合の順電流は、I = Is { exp(V/Vs) - 1 } にしたがうので、-1 をねぐって変形すると V = Vs log( I / Is). I で微分すると dV/dI = Vs / I. Vs = q/kT ≒ 0.026 [V] ( q: 電子の素電荷,k:ボルツマン定数,T:絶対温度 ) なので、 ダイオードの微分抵抗≒0.026/I. よく1000倍して 26/I(mA) と書かれる。たとえば3mAの場合、26/3 = 8.666... → 8.7Ω。 [引用終わり] dimension > -----元のメッセージ----- > 差出人: "masanobu_suzuki" <signas@xxxxxxxxxxxxxxx> > 受取人: "h8@xxxxxxx" <h8@xxxxxxx> > 日付: 05/12/08 22:16 > 件名: [H8-ML(5765)] Re: リレーをOFFする時の過渡電圧について > > 鈴木と申します。 > > 回路シミュレーションは経験がないのですが、回路図及び > シミュレーショングラフを拝見して疑問点を。 > > (3)スナバ回路付、電源部パスコン400uF時の回路図 > http://homebrew2004.hp.infoseek.co.jp/PassCon400u-WithSnaba-Cir.png > > この図ですが、ソレノイドの両端に既にダイオードが抱かせて > あり、さらに並列にCRが接続されています。経験的には、この > ような回路は初めて見たのですが、スナバ回路そのものの挙動を > 検証するのであればダイオードは不要ではないでしょうか? > 実際には、サージ吸収と言う意味ではこのような回路も「あり」なの > かも知れませんが・・・・ > > (4)スナバ回路付、電源部パスコン400uF時の電圧変動 > http://homebrew2004.hp.infoseek.co.jp/PassCon400u-WithSnaba.png > > このグラフの赤いラインですが、ある所から電源電圧5Vを下回り > なだらかに右下がりになっています。これは十分な時間が経過した > 場合、電源電圧を下回る状態で平衡するのでしょうか? > もし、そのようなラインであれば直感的におかしいと思われます。 > 即ち、十分な時間が経過した時点では、コイルに蓄えられていた > 磁束のエネルギーは最終的に熱エネルギーになって消滅してい > ますから、この状態は、最初からソレノイドの下流にあるスイッチ > を開いたままの状態で回路の電源(ここでは電池)を投入し、 > ソレノイドの一端をテスタで電圧測定した状態と一致しなければな > りません。つまり、電源電圧に等しくなければならない筈です。 > > 他にも色々あるのですが、シミュレーションの結果について > 実際の現象と一致するのかどうか、理論や経験的な裏付け > によって理解されることが重要かと思います。 > 例えば、(4)のグラフで緑と赤い線の電圧差はどこから生じる > のか?、何故70μsec付近を境にしてカーブの傾きが変化する > のか?とか、SWの開閉現象のようにt=0でi=0となるような本来 > 微分不可能な現象をシミュレーションで取り扱えるのか? > ・・・・など。 > > 素朴な疑問でした。 > >