多事毒論(2000年9月分)
ふぅ
2000年9月29日(金曜日) はれ/くもり
やっと仕事が一段落。こんなの楽勝だと思っていたソフトの開発に手をつけてみたら、仕様がマトモに定まってなかったりしてぜんぜん楽勝じゃないことに気づき、今週はちょっと苦労していたのであった。取りあえずそれっぽいものは出来たが、プロトコルから新たに作り上げたソケット通信なソフトなので、デバッグは殆どしていない。相手がいないと動くかどうか分からない、動かない場合ときは、どっちが悪いのかで責任のなすりあいになりがち、というのがこの手の開発におけるジンクスだ。これだから、通信関係は余り好きじゃない。
ここのところ、テレビがシドニー一色で面白くない。オリンピックでどこの国がメダルを取ろうが、わたしの生活には微塵も影響しないのだ。そんなことよりも、もっとこまめにニュースとか天気予報を放送して欲しいものである、そっちの方がよほど生活に関わる重要な問題なのだから。多くの人がオリンピックに興味があることは、確かだろう。しかし、だからといってNHKを含む全ての主要局が判を押したようにオリンピックを放送しなくても良いと思うのだが。とにかく、日本のテレビ局は横並びが大好きらしい。
オリンピックの何が嫌いかというと、オリンピックのためにオリンピックしているから嫌なのだ。何を言ってる、オリンピックなんだから当たり前だろうと言われそうだが、そういうことではない。これが競技のためのオリンピックなら良いのだけれども、競技よりも「オリンピック」という概念そのものが目的になってしまっている。例えるなら、高校野球の嫌らしさに通じるものがある。高校野球は、高校生の野球技術を競うのために行われているものではない、あれは高校野球のための高校野球なのだ。
一般的にいえば、「Aのために行われるB」になるはずのものが、なぜか「Bのために行われるB」になってしまって本来の目的であるはずのAが目的の中心から外れてしまっているものは、好きじゃない。オリンピックの全ての部分がそうであるとはいえないが、それでも妙なわざとらしさは、否めない。
国勢調査
2000年9月26日(火曜日) くもり/あめ
国勢調査の調査票がやってきた。
やっぱり悩むのが、自分の仕事を書く部分だ。悩んだときは、ついギャグって書きたくなってしまうのが人間というもの。さてさて、なんて書くべきなのか。
- 勤め先・業主な
どの名称及び 事業の内容
| 名称 |
突撃実験室 |
内容 |
突撃を伴う実験 |
- 本人の仕事の内容
|
人体実験用検体 |
なんつうのも、なかなかいい感じである。でも、わたしって人体実験用の検体なのね(涙)
- 勤め先・業主な
どの名称及び 事業の内容
| 名称 |
その他 |
内容 |
その他の業務の請負 |
- 本人の仕事の内容
|
その他の設計開発および植付け |
よほど例外的な仕事をしているのだろう。で、「その他の植付け」とは一体・・・
- 勤め先・業主な
どの名称及び 事業の内容
| 名称 |
(株)突撃情報システム |
内容 |
ネットワークサーバの管理 |
- 本人の仕事の内容
|
特定の時間になると動きだす小人さん |
それって cron のこと? 小人さんって、本当にいたの!?
- 勤め先・業主な
どの名称及び 事業の内容
| 名称 |
三代目突撃連合会 本部事務所 |
内容 |
輸入卸売業 |
- 本人の仕事の内容
|
密輸覚醒剤の積み降ろしに際する見張り |
統計以外の目的に使われることのない国勢調査で足がつくはずはないから、記入は正直に。
- 勤め先・業主な
どの名称及び 事業の内容
| 名称 |
学校法人 突撃名門学園 |
内容 |
高等学校 |
- 本人の仕事の内容
|
裏口入学の審査および経理事務 |
なんと、そういうダーティな仕事に手を染める専任がいるとは・・・
- 勤め先・業主な
どの名称及び 事業の内容
| 名称 |
勇者 |
内容 |
魔王退治業 |
- 本人の仕事の内容
|
特になし |
とりあえず平和だからね、いまは。
あ、自分の仕事を説明するんだっけ・・・
J-Phone 買ったり
2000年9月25日(月曜日) はれ
メール受信端末が欲しくなって、何となく J-Phone に加入した。
最新機種が欲しいなってことで、買ったのは Sharp の J-SH03 だ。初めて手にするカラー液晶端末だが、思ったほどの感動はなかった。すでに持っているモノクロ液晶搭載のドコモ P-502i と比較すると、メニューが色分けされていたりして美しいことは確かなのだが、実用上はモノクロの液晶でも特に不満はない。Web コンテンツを多く見る人には良いのだろうけれど、わたしはメールを読むか Web を見るとしてもテキストベースなサイトが殆どなので、カラーの恩恵はあまりないのだ。モノクロ液晶でも最近のやつは階調表示ができるし、コントラストが非常に強いので、テキストだけなら下手なカラー液晶よりもモノクロ液晶の方が見やすい感じがする。
そしてまあ、どうでも良いような装飾系機能の多いこと。カラー液晶を自慢するかの如く、画面の隅には風船のような飾りが表示されていてプリクラみたいだし、下らないアニメーションは出てくるし、思いっきり女子高生仕様に仕上がっている。加えて、何よりも驚いたのは、128音色の4音同時発音な着信メロディである。ヤマハ辺りが携帯電話専用の音源ICを発表していたから、その辺を使ったのかも知れない。音質はスーパーファミコンより少々劣る程度で、ここまでくると無線電話というよりちょっとしたシンセの域に達しているような気がする。まあ楽しいから良いんだが、RFの実効出力よりも着メロのAF出力の方が大きいんじゃないかと思うと、なんだかなー(笑)
ドラムとかベースも一応それっぽく鳴るので、ちょっとした曲なら、かなりまともにできてしまいそうである。でも、それが衆人環視の中で鳴ることを考えると何となく嫌だな、やっぱり。P-502i には「ビッグブリッヂの死闘」なんか打ち込んでみた(耳コピで)。分かる人には、よ〜く分かると思うが、死ぬほど大変だったのだ。完成したものを聞いてみると、忙しなさすぎて使う気にならなかったんだが、あの苦労を無駄にするのは惜しかったので、とりあえず使っている。やっぱりうるさいけど。
パトリオット
2000年9月23日(土曜日) あめ
映画「パトリオット」を見る。
題名と予告編を見て、かなり退屈な内容を予想していたが、実際に見てみたら予想通りに退屈する映画であった。次に何が起きるのかが読めてしまうような話がダラダラと続くし、派手なバトルといったアクションが素晴らしいというわけでもない。舞台となっているアメリカの独立戦争あたりの時代では、横隊になって敵さんと対峙し、銃をぶっ放すだけという大変に良く整理された戦闘スタイルがトレンドであったようなので、あまり派手なバトルもできなかったのだろう。これでベタベタの「愛国者しまっせ〜」な内容だったら救いようがないのだけれど、そこはかなりハードボイルドな叙述を目指していたようなので、ぎりぎりで許せる部類かな。
しかし、主演がメル・ギブソンというだけで、そんなことはどうでも良くなるのである。まったく、あの男だけは何がどうなっているというのだろう。普通にしていればごく普通のオジサンなのに、何らかのきっかけで、いきなり変貌して嫌味のない格好良さを醸し出してくれる。怒りのあまり、倒れた英国兵を斧でメッタメッタに切り刻み、返り血をどっぷりと浴びた悲惨でもなければ勇ましくもない独特のツラで振り返ってくれるだけで、わたしはもう満足である。どうしてメル・ギブソンは、ああいう役をやらせると、あそこまでシブくなれるんだろう・・・
なーんか
2000年9月22日(金曜日) はれ
ばたばたと忙しくて、更新が途絶えて申し訳ない。肉体的な疲れは無いのだけれど、内ゲバさながらの会議に出たりとか、くだらない揉め事の解決を図ったりとか、あれやこれやと精神的に疲れることが多くて家に帰ってからは、ホームページの速攻で寝てしまう一週間であった。
とりあえず、新しく組んだ Windows 2000 Pro マシンがそこそこ使えるになってきた。新規インストールとなると、やっぱり大変だ。いままで使ってきた過程において便利にチューニングしてきた環境がまっさらになり、それを復元しようというのだから、やらなければならないことはまだまだある。これまたやはりというか Windows 2000 Pro は、NT4.0 よりも重たいし、問題も少なくない。鬱陶しい装飾系の機能はてんこもりだし、エクスプローラも輪をかけて使いにくくなってる。しかし、鬱陶しいとは言え、良くなっている部分もあるし、いいか悪いかは一概には言いにくい。
FAT32 が使えるようになったのは嬉しいのだ。いままでは FAT16 しかサポートされていなかったため、10GB のディスクが 2GB 単位で区切られていた。それだけでドライブレターが馬鹿みたいに増えてしまう・・・いったい、どこに何が入っているのやら状態が改善されただけでもありがたいものだ。G ドライブぐらいまでならいいが、ネットワークドライブがあるわけでもないのに L とか M ドライブまで出現するのはちょっと異常である。これを機に1ドライブ、1パーティション主義に転じようかとも思ったけれど、それは流石にやめておいた...
続・VEGEMITEとか
2000年9月19日(火曜日) はれ
以前に掃き溜め写真館ネタとして書いた「オーストラリアの危険物・後編」で VEGEMITE という不思議な(強烈な?)味のする食品を紹介したが、この主たる原料は酵母エキスであるらしい。癖のある独特の風味や何とも言えない香りは、この酵母エキスのものであるらしいのだ。そんなことは全く知らなかったので、少し酵母エキスとやらに少々興味を持ってしまった。
国内でも、VEGEMITE に相当する酵母エキスを原料にしたものが調味料として使用されているようだ。ただし、そのままでは癖がありすぎて隠し味には使えないだろうから、うま味成分の抽出や脱臭なんかが要となるのだろう。しかし、わたしは発酵屋でもなければ調味料屋でもないので詳しいことはよく分からない。わかんないときは、実物をゲットして実験だ! というのが突撃実験室のスタンス。あるメーカからサンプルを貰うことができたので、次の実験ネタはこれにしたいと思っている次第である。
てことで、おもしろいから作った料理には何にでも入れてみている・・・ わたしの場合、こういう類のものにはまると怖いのだ。以前、泊まりで遊びにきた友人もやや特殊な手料理の犠牲者になったことがあった。怪しげな手つきで何か得体の知れぬ調味料を入れる様を発見して大げさに心配する友人を「毒を盛っているんだ」などと言ってからかってみたら、最初こそは食うのを躊躇っていたけれども、強引に食わせたら美味しい美味しいと頻りに言いながら最後まで食べてくれた。
きっと、それは最高に美味しかったのだろう。間違えて本当のことを言ってしまったら、次回こそ容赦なく毒を盛られるんじゃないかと思っていたわけでは・・・なければ良いのだが。まったく、この善良なわたしを捕まえてそういう目で見る方も見る方だが、そういう目で見られるように至るまでにはそれ相応の実績というものがあったからなのかも知れない。自分では、ちょっと思い当たらないが。
A7VのATAPI問題
2000年9月18日(月曜日) はれ
朝の更新・・・昨晩は、早く寝てしまったのだ。日曜日の夜から Windows 2000 Pro をいじっていたら朝になってしまい、2時間しか寝ていなかったので。
昨日の毒論で「Windows 2000 Pro で ATAPI の CD-ROM を認識しない」と書いたが、調べるとどうやら A7V の BIOS に不良があると分かった。ASUS のサイトから、修正 BIOS のイメージをダウンロードできる。そんなの、真っ先に見るところだろうと言われそうだが、わたしはちゃんと見た。でも、見たのが日本法人のサイトだったからいけなかった。台湾の総本山では公開されているのだが、日本のサイトには無いのだ。
誰かの役に立つかもしれないから、いちおう書いておこう。
新マシン
2000年9月17日(日曜日) あめ
以前にもちらっと書いたが、Athlon 800MHz と ASUS の A7V を買った。
というわけで、天気の悪かった三連休を利用して新マシンへの移行を進めているのだ。メモリーとか CD-ROM ドライブとか、そういう使い回しの利くものは新たに買い直す必要もないので古いマシンから外して使うことにした。そうすると、作業中は古いマシンが使えなくなるのでちょっと大変なのだ・・・まあ、ノートPCがあるから、メールを読むとか日常的なことだけはどうにかなっているので良いのだけど。
新マシンにはOSを何を入れようかと迷ってる。いままでは NT4.0 を使ってきたのだが、AGP や USB など使えないものも増えてきて、やや時代遅れという感じもする。そんなわけで、NT5.0 に当たる Windows 2000 Pro を入れてみようかと思った。Win2000 Pro では、あれが動かないとかこれが動かないといった悪い噂をたくさん聞くので若干心配なのだけれど、それを言えばいまの NT4.0 でも動かないことになっているデバイスを強引に動かすための小細工を色々とやっているので、似たようなものかもしれない。
ことは試しと実際にインストールしてみた。すると、いきなりやってくれる。インストーラーでは認識できていた ATAPI の CD-ROM ドライブが、インストール終了後に再起動すると認識しなくなるのだ。なのでコピーできないファイルができてしまい、インストールが中途半端なところで終わってしまう。どうも、これはわたしだけの話ではなく、ほかでも起きているようだ。回避方法も分からないし、しょうがないから SCSI の CD-ROM ドライブからインストールしたらOKだった。
ATAPI 全盛の時代、そろそろ SCSI なんて無くなるんじゃないのと思っているぐらいなのに、これじゃあねえ。
にゃー
2000年9月16日(土曜日) あめ
一日中、家でゴロゴロとしながら過ごす・・・だって、おっかない雷雨の連続で、とてもじゃないが、どこかへ遊びに行こうなんて気にはならんのだ。雨のせいで、衛星放送も全滅。受信が乱れるというレベルではなく、全く受信できなくなってしまった。アナログで大出力のBSは多少の雨でもシャリシャリになりながら受信してくれるけれど、デジタルCS放送は、電界強度が落ちると完全に見られなくなってしまうのが欠点だ。3メートルぐらいの強烈なパラボラでも上げてやりたいが、だいたい雨如きで減衰してんじゃねえ、これだから根性の足りない周波数帯は困ったもんだ。
なもんで地上波を見てると、「戦火の勇気」やってた。こいつはなかなか良い映画なのでお勧めしたい。折しも、これを最初に見たときは
世界は俺たちアメリカ人が救うんだ〜
といわんばかりの、ナメきったエスノセントリズム映画が幅を利かせていたころなので、こういう硬派なドキュメンタリは気持ちが良かったのだ。湾岸戦争が題材だったので、見る前は「またかよ」と警戒していたけれど、好戦でも反戦でもない立場で、戦場で起きた上官との軋轢なんかをテーマにして上手いことまとめた話である。
知人が、電話機(携帯じゃなくて加入電話に繋ぐやつね)が壊れたといって、うちに持ってくる。どうしてうちに持ってくるのだ、ここは何でも修理屋じゃないぞと思いつつも、どうせ壊れているんだからバラしてみた。なんだか最近の電話機ってやつはブラックボックスで、多層基板にマイコンが張り付いていたりして、無用に大袈裟な回路が入ってる。部品が物理的に燃えたりしていれば修理の目星もつくが、そうでもない限り難しそうである。仕方がないので「新しいのを買ってくれ」というと、なぜか壊れた電話機はうちに捨てていかれたのであった。
更新報告
2000年9月15日(金曜日) はれ/あめ
ほかに良い分類がなかったので、「鉄分の多いこと」に、以下の鉄分の全くないネタを追加した。
吉野川沿いを散歩する (前編)
吉野川沿いを散歩する (中編)
吉野川沿いを散歩する (後編)
これは、夏休みに吉野川沿いを歩いてきたときの記録である。夏休みといっても、7月31日から 8月2日のことだったので、もうそろそろ古くなった話だ。記憶が薄れないうちに、一気に書き上げる。
今回の更新は、突撃実験室創設以来の大事業である。一気に書き上げて、三部とも同時に公開・・・だからではない。ファイル総数は51個、総面積は、何と 9,104,921バイトにも及ぶ。ふと気付いたら9メガバイトにもなってしまったのだ、高速な専用線でもない限り見る気を無くさせるデータ量なのは分かっているが、写真を多く掲載したくなったので何とかお許し頂きたい。高解像度の写真を見なければ、全部合わせても1メガバイト程度に抑えてあるので、ダイアルアップ接続でご覧の方でも安心してご覧になれるよう配慮したつもりである。
今日は何の日?
2000年9月13日(水曜日) くもり/あめ
西暦2000年9月13日といえば・・・そう、今日はセカンドインパクトの日である。
また、渚カヲル君 (使徒, 2000) や山田洋次氏 (映画監督, 1931) の誕生日だ。
某アニメの設定においては、今日は南極大陸に隕石が落下して20億人あまりの人間が死ぬことになっている。それを心の底から信じていたわたしは、昨年末、全財産を叩いて専用の地下シェルタを完成させて、この日に備えていた。ところが、大変なことが起こったのだ。昨晩、事態に備えてシェルタを建設した場所へ行ってみたら、いつの間にかその上にマンションが建っていて中に入れなかったのである。土地代までは流石に払えなかったので、その辺の空き地を適当に探してシェルタを作ったのが不味かった。この教訓を生かして、次回は土地開発公社の土地を使うことにしよう。それならば、大丈夫だろう。
エヴァは違うけれども、1970年代後半〜1980年代の終末観の強かったアニメの中で、何かが起きることになっていた日付は、どんどんと過去の日付になっていっている。ガンダムで人類宇宙移民計画が発表されたのは、1999年のことであった。もうちょっと気の早い設定になっていた作品では、1999年か2000年には、人類は地球外で暮らしていることになっていたりする。当時のリアリティとしては、1990年代に地球がヤバイことになって、ちょうど世紀の変わり目あたりに第二の故郷を創設するぐらいの段取りが良かったのだろうけれど、実際にそこまで時が進んでみると、案外に何も変わっていないものだ。
わたしが幼少だったころと比べて大幅に進歩したものといえば、電脳や通信ぐらいだと思う。テレビも電話も電子レンジも一通りの家電は揃っていたし、いまでもそれらの基本は殆ど変わっていない。新しい家電が家にやってきてワクワクした記憶と言えば、ビデオデッキぐらいである。それとは対照的に、うちの親は団塊の世代の人間で、小学生ぐらいのわたしに、家にテレビが来た日とか電話が来た日の話をするわけだ。それを聞いて、たった20年ぐらいで世の中は凄く変わるものだなと思ったし、それを踏まえれば、当時の未来予想みたいな話にも、それなりの現実味があった。
実際にはそうならなかったけれど、経済面だけでなく技術的、物質的な進歩の速度が、今でも高度成長期あたりと同じような速度を維持していたとすれば、21世紀初頭に宇宙へ移住することも有り得たような気がする(もっとも、興味本位でそんなことはしないだろうから、地球が住めないような状態になるとか何らかの必然性も同時に必要だが)。極端な進歩はもう起きないと分かった今なら、当時の成長神話とか未来予想みたいなものを結果論的に滑稽だと笑うことができることも出来よう。でも、振り返ってみると1980年代ぐらいまでは、まだ凄い成長の夢を見ていたのかな・・・あの「テレビが来た日」の話には、世の中はそれぐらい変わるんだというニュアンスを少しばかりは含んでいたように思う。
雨
2000年9月12日(火曜日) くもり/はれ
中部地方では、集中豪雨で大変な被害が出ているようだ。
愛知県に住む知人のところでは、激しい雷雨のあと専用線でネットワークに繋がっているサーバに被害が出た。近くで建物が揺れるぐらいの落雷があり、それと同時に停電が発生。UPS が働いたので電源は無事だったが、どういうわけかサーバの NIC だけが飛んでしまったそうなのだ(NIC 以外の部分は無事)。メタルの専用回線と直に繋がっているルータや、それらを結ぶ Ethernet の HUB など、真っ先に被害を受けそうな機材は全て無事であったという。恐らくは、直撃雷ではなく誘導雷の被害だったのだろうけど、どうしてそんなところだけが壊れるのかは良く分からない。
雷の直撃は免れても、落雷があって極端な電磁界が発生すれば、それがケーブルに乗って誘導雷の被害が出る可能性がある。良く分からないけれど、その誘導雷ってやつは想像を絶するような原因でケーブルに乗ったり乗らなかったりして、サージを発生したりしなかったりするものなのかも知れない。あるいは、ルータは回線と繋がるだけあって雷の被害を受けやすいので、特に念入りなサージ対策がなされていて無事だったのかもしれない。最近の HUB や NIC はどうなのだろう。普通、ZNR ぐらいは入っているけれど、必ずしも完全防備というわけではなさそうだ。特に最近の安いネットワーク機器なんて、ちょっとしたサージで壊れてしまうのかも。
そんなわけで復旧の手順を連絡することになったのだが、災害のためか愛知県の電話網は輻輳しまくっていたようで、電話が極めて繋がりにくくなっていた。まずは加入電話にかけてみたが、何度かけてみても話中になる。長距離系が混んでいるのなら新電電はどうかと思って日本テレコムを使ってみたが、やはり結果は同じだ。仕方がないので携帯電話にかけてみると、これも「ただいま繋がりにくく・・・」というアナウンスが出てかかりにくくなっていたが、何度か試してみたら繋がった。基地局と交換局さえ無事なら携帯電話は災害に強そうなイメージがあったのだけれど、災害があるとこっちもパンクしてしまうようだ。地域の電話網に頼っていれば、同じ事なのかも。
公衆電話や、消防など防災上重要な機関の電話は輻輳時でも優先的に繋がるようになっていることはご存じのことだろう。携帯電話にも、優先的に繋がるものが存在する。例えば、最近は警察官も無線機のほかに携帯電話を通信手段として使っているが、彼らが使用しているものは、そういう設定になっているらしい。欲しい、けれども我々一般人は絶対に手にできない代物だ。コミケみたいなイベント会場では、その威力を大いに発揮しそうなんだけれども。
傷害保険
2000年9月11日(月曜日) あめ
朝から雨で鬱陶しい。
以前に、S生命のオバサンが生命保険を売りに来た。少しは興味があったので色々と話を聞いてあげたのだけれど、S生命が出してきた提案の金額は、比較的という意味でも絶対的という意味でも高いと思った。月々数千円の掛け金ならまだしも、万単位になってくると流石に躊躇してしまう。もっとも自分がドケチであることは認めるが、必要な金までをも惜しむつもりはない。嫁や子供を扶養していて、自分が死ぬとそいつらが野垂れ死にするという状態にあるのなら言われるまでもなく既に何らかの生命保険に入っていることだろうが、そもそも自分が死んだところで金銭的に困る人間はいないのだ。
「いまはそうかも知れないが、将来には必ず・・・」と、S生命のオバサンは言う。そうかい、わたしは望む望まざるに関わらず生涯独り身である可能性は否定できないと覚悟を決めている人間だ。妻子の経済的な問題が理由で生命保険に入るのならば、当選確実の速報が流れてからでも良いではないか。だいたい、明日の朝も東の空には確実に太陽が昇ると、誰が保証できようか。明日のことは、明日になってから考えれば良いのだ。しかし、そんなことを言ってみたところで保険屋さんは動じない。今度は、「いま万が一のことがあったとしても、親御さんに・・・」と仰せである。
はてはて、一体どういう理由があって親に金を残してやらなければならんのだ。「育ててくれて」というが、専ら両親の自発的な意志に基づいて作った子を育てるのは、両親が当然に負べき義務であり、そのこと自体は、子がいかなる形においても感謝すべき対象にはなり得ないと思っている。単に鬱陶しい営業を退けるためだけにでっち上げた文句ではなく、これは本音である。流石にここまで言うと保険屋も目を丸くしていたから、相当に捻くれた見解なのだろうか? 「世間並みの親に対する義理」なんて比較の対象に置いたことがないから、よくわからない。
というわけで、生命保険なんてものは合理的な金銭的必要性があってこそ必要なのだから、不確実な未来予測やら根拠の不明瞭な義理で議論すべき問題ではない。そういう前提において、S生命だけでなく他社の保険商品なども真面目に検討してみた結果、「当面は必要なし」が結論として出た。しかし、事故って通院したり入院すると金が出るとか、生保の特約に付いてくるような保障は自分のためになる。そう、結局カワイイのは自分だけだ。そこで、普通傷害保険なら(安いし)入っても良いと思った。先日、久々にS生命のオバサンが顔を出したので、傷害保険なら入ってやると言ってみる。
すると、オバサンは快く記入済みの契約書を持ってきた。しかし、ドジというのか、わたしの生年月日を控えていなかったらしくデタラメな生年月日が入っている。訂正印でどうにかしてくれと言うが、職業も「プログラマ」と適当に決められてあったから、ますます気に入らない。作り直してこいといったら、これまた快く持ってきた。いままでさんざん断ってきた経緯があるからかも知れないが、ちょっと異例のような気もする。S生命にはS生損害保険という子会社があって傷害保険も売っているのだけれど、生命保険屋に言わせると「そんなものに入るぐらいなら生命保険を」となるので、積極的に傷害保険を売りたがらないからだ。
でまあ、俺様が地球の中心である独り者には傷害保険がお勧めなのではないかと。
更新報告
2000年9月10日(日曜日) はれ
最近は、更新が途絶え気味で申し訳ない。前編の公開より時間が経ってしまったが、掃き溜め写真館にオーストラリアの危険物・後編を追加した。実は三週間前に書き上げて、校正を入れたのが今日という・・・
全然関係ないが、最近はコーヒーが無いと生きていけない身体になってしまった。最初は、瞬間湯沸かし器で作ったインスタントコーヒーのようなものでも良かったのだが、舌が肥えてきてしまったのか、豆から作ったコーヒーを身体が要求するようになってきた。そこで目を付けたのが一杯分の使い捨てドリップである。無精なわたしのためにあるような製品だ。紙で出来たドリップ装置をカップの上に乗っけてお湯を注ぐだけでそこそこまともなコーヒーが出来るのは手軽で良いし、値段もそう高くない。気に入ったので、いまはこれを職場に常備してある。
ここのところコーヒー中毒がますます酷くなってしまい、ついにコーヒーメーカーを買ってしまった。そのうち飽きて使わなくなるだろうから5000円を超えていたら諦めようと思っていたのだが、「燦坤日本電器」という、すっげー怪しいメーカーの製品が2500円ぐらいであったから買ってしまう。「燦坤」という見たこともない漢字は、「サンクン」と読むらしい。検索エンジンで探すと、ホームページがあった。これを見た限りでは台湾のパソコン屋の日本法人っぽいのだが、よせばいいのにコーヒーメーカーといった家電にも手をだしているらしい。
というわけで、燦坤日本電器のコーヒーメーカーは快調に動いている。一日、5〜6カップ作っているけれど。
CIDR とか
2000年9月7日(木曜日) くもり/あめ
CIDRなIPアドレスは、予め決められたIPアドレスの範囲を、限定された世界の地理的な場所でのみ使用しても良いことになっている。こうすることによって、あるIPアドレスが具体的にどの国のどこで使用されているかを管理していなくても、例えばこのIPアドレスはアジアで使われている範囲だからアジアのどこかと通信したいのだろう、取り敢えずアジア方面に回しておくか・・・などという横着が利くようになるわけだ。そしてアジアに到達してから、このアドレスは日本のどこかで使われているはず・・・という具合に、徐々に具体的な場所を解明していけば、世の中でインターネットに繋がっている全ての組織を一箇所で管理する必要がなくなる。
しかし、国の特定ができただけではダメだ。日本国内だけでも無数のインターネットに接続されている組織があり、その数だけでもどのIPアドレスがどこで使われているのかを全て管理できないような状態にある。そこで、IPアドレスを組織ごとに割り振るのは比較的数の少ない大手プロバイダだけとし、そこに繋がる末端の小さな組織には、その大手プロバイダに割り当てられたIPアドレスを貸与することになった。こうすることによって、日本全体としては、あるIPアドレスを実際に使っている組織がどこにあるのか管理しなくても、どの大手プロバイダを使っているかは分かるから、そこに回せば最終目標の地点に届くであろうと期待できるのだ。
具体例でいえば、突撃実験室のサーバのIPアドレスは 210.225.225.5 である。世界全体が、このアドレスが日本の突撃実験室で使われていると知っている必要はない。210.224.0.0 から 210.225.255.255 の範囲に属するIPアドレスは日本で使われていると決まっているので、取り敢えず日本に向ければ最終目標に届くと仮定できるのだ。さらに、日本全体が、210.225.225.5 が突撃実験室で使われていると知らなくてもよい。このアドレスは、上位プロバイダである必ず OCN の末端にあると決まっているから、あとは OCN が責任を持って突撃実験室に回してくれれば、世界のどこからでも最終目標である突撃実験室に繋がるというわけなのだ。
ところが、こういう方式であるから、突撃実験室がプロバイダを引っ越しして、OCN から別のプロバイダに移ったときは、そのプロバイダから貸与されるIPアドレスに変わってしまう。昔は、各組織が自前のIPアドレスを持っていたのでそのようなことは起きなかったのが、いまは不幸というか、それは避けられない。従って、IPアドレスが変わると困るという理由で必ずしも好ましいとは言えないプロバイダに縛られてしまうこともままあり、困った事態になっている(実は突撃実験室もそうなのだ)。しかし、割り当てられた何らかの番号が変わるのが嫌だという理由で特定の通信事業者に縛られてしまうことは良くないことであり、いずれは解決されることになっている。
同じ事は、電話番号にも当てはまるだろう。とくに携帯電話の場合は事業者を乗り換えたくなることも多いが、いまの電話番号は事業者単位で割り当てられているため、事業者が変われば電話番号も必ず変わってしまう。番号が変わると困るので、不本意ながら特定の事業者に縛られてしまっている方も多いのではないだろうか。郵政省も、これでは事業者間の正常な競争が期待できないとして、将来的には、エンドユーザに割り当てられる電話番号が事業者に縛られないものに変えていく方針にあるらしい。それがいつ実現されるのかは分からないが、番号を変えないまま携帯電話の事業者を変えられるようになれば、既存の利用者に対するサービスが向上しても不思議ではないだろう。
正当な理由?
2000年9月6日(水曜日) はれ/くもり/あめ
軽犯罪法には、
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
23. 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が
通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
とあるのだけれど、一体どういう理由があれば「正当な理由」に当たるのだろう。
と、そんなことをゆっくりと考えながら一日を過ごせれば嬉しいのだけれど、なんだかんだでバタバタと忙しい日が続いていたりする。今日は、ネットワークの切り替え作業、早い話が、プロバイダが上位プロバイダを切り替える作業のために八王子へ行ってきた。事務所に座って「作業計画書」を書くだけとか、現場へ行くにしても「監督」というような立場ならば良いのだけれど、「関係各所にネットワークの停止予告を出す」ところから始まって「工事計画」も「現場監督」も「実作業」も「完了確認」も一人で背負っていると流石に疲れてしまう。
プロバイダがプロバイダを乗り換えることもあるのだ。通常、地域系の小さなプロバイダは、より大きなプロバイダのお客さんという立場にあるため、上位にあるプロバイダが気に入らなくなったときには、これを変えることもある。だが、それはちょっと設定を変えるだけというようなことでは行えず、えらく大変な作業である。特に、切り替えの前まで使用していたIPアドレスは全て使用できなくなってしまうため、IPアドレスが関わっている設定などは全て新規に割り当てられたIPアドレスに変更しなければならなくなる。単純なネットワークでも面倒な作業なのに、少し複雑なネットワークともなれば作業量は大変な量になってしまう。
どこのプロバイダでも何らかのIPアドレスを使用しているけれど、現在では上位のプロバイダが持つIPアドレスを、その顧客である下位のプロバイダが間借りするような形で使用することが一般的であるため、接続先のプロバイダを変更したときは一部の例外を除いてこの作業は必ず発生する。昔は各組織が自前のIPアドレスを持っていたので上位の接続先を変更してもこういうことには至らなかったのだが、インターネットに接続する組織が急増した結果、組織ごとにIPアドレスを割り当てていったようでは、どのIPアドレスが世界のどこで使われているのかが分からなくなってくる恐れが出てきた。
例えば、あるIPアドレスは日本で使われているのに、その隣のアドレスがアメリカで使われていたり、その隣がドイツで使われていたりすると、収拾がつかなくなってなるというわけだ。IPアドレス一つで世界のどこへでも繋がるはずのネットワークにおいて、そのIPアドレスの割り当て方が複雑すぎて世界のどこで使われているのか管理できなくなり、どこへでも繋がらなくなるという事態になっては余りにも情けない。そこで考え出されたのが、CIDR (Classless Inter Domain Routing) と呼ばれる割り当て方式である。
続きはまた明日。
安い服? 高い服?
2000年9月5日(火曜日) あめ
わたしは、家族や友人から「あいつは、いつ見ても同じ格好をしている」などと言われることがしょっちゅうある。はたまた、「あいつは、どこにでも同じ格好で現れる」というようなことも言われたりする。確かに、わたしが滅多に服を買わないことは事実である。元々おしゃれに気を遣うような人間でもないし、なにしろ衣服の買い物は面倒だからなるべく避けたいのだ。しかし、わたしが「いつも同じ格好」をしていることは、一定の合理的な持論に基づいているということを皆さんは知らない。だから書いておこう。
☆ 鉄則1:安い服は買うな
安い服が即ち悪い服というわけではないけれど、同じような服でも高い服は生地も良いことが多く、経験的に言って長持ちしている。何度か洗濯をしたら、染料が褪せてきたり、よれよれになってしまうような服は買ってはならない。それでも着るのなら良いけれど、やはり見窄らしい格好は嫌である。安い服を使い捨てのように買うより、値段は少々高くとも、長期間に渡り品質を維持できる服を買って長く着た方が長期的に考えればお買い得なのだ。
☆ 鉄則2:色の選び方は一生変えてはならない
服は、上から下まで同時に買い換えるものではなく、買ったばかりのシャツと一ヶ月前に買ったズボンを同時に着用することも、ままあることである。従って、色の後方互換性あるいは統一性を考慮に入れて色を選ぶことが重要なのだ。例えばシャツを買うときは、例え気に入った色のものが目についても、それと合う色のズボンが無い場合は買うべきではない。色の合わない服でも平気で着るのなら話は別だが、色合わせも考慮するのならば、新しいシャツの色に合うズボンも買う羽目になって余計な出費が増えてしまうだけである。
☆ 鉄則3:無難なものを選べ
カジュアルでもなく、フォーマルでもなく。できるだけ、そんな服を選ぶと良い。着こなし方によってはカジュアルと言えなくもないし、フォーマルではないけれど少し改まった場に着ていくぐらいならおかしくない。オールマイティに使える服が多ければ多いほど、TPO に応じてあれやこれやと滅多に着ない服を揃える必要もなくなるから節約になるのである。
こうして、人は女にモテなくなるらしい。
ああああ(絶望中
2000年9月3日(日曜日) はれ
いつまで8月分が表示されているようでは格好悪すぎるので、何か書いておこう。
突発的に仕事がやたらと忙しくなったり、家のPCが立ち上がりすらしなって復旧にやたらと手間取ったり、なんだかんだで更新どころでは無かったここ数日。そんなこんなで、先週ぐらいにメールを送ったはずなのに、いまだに返事が来ていない方、申し訳ない。すぐに処理しますので、お許しを。